原題:『The Girl on the Train』
監督:テイト・テイラー
脚本:エリン・クレシダ・ウィルソン
撮影:シャーロット・ブルース・クリスチャンセン
出演:エミリー・ブラント/レベッカ・フェルグソン/ヘイリー・ベネット/ジャスティン・セロー
2016年/アメリカ
主演女優の力演だけで魅せる作品について
本作のメインテーマは主人公のレイチェル・ワトソンに対する、元の夫で現在はアナ・ボイドと娘のエヴィと暮しているトム・ワトソンの「ガスライティング(gaslighting)」と呼ばれる心理的虐待であるのだが、果たしてこれが「ガスライティング」と名付けられる元となった『ガス燈(Gaslight)』(ジョージ・キューカー監督 1944年)のように分かりやすく描かれているかというとそうでもないのは、現在2人が一緒に暮らしていないからであろう。
それにしてもトムが浮気をしまくっている原因が、浮気相手のメーガン・ヒップウェルの言う通りに「妻」に対する性的不能であるのならば、かなり特異な性癖であるのだが、かつてレイチェルとトムは不妊治療をしていたはずで、それはレイチェルではなくてトムに問題があったということをレイチェルは理解していたのだろうか?