MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ねこタクシー』

2016-11-12 00:21:21 | goo映画レビュー

原題:『ねこタクシー』
監督:亀井亨
脚本:永森裕二/イケタニマサオ
撮影:中尾正人
出演:カンニング竹山/鶴田真由/山下リオ/芦名星/水木一郎/塚本高史/内藤剛志/室井滋
2010年/日本

「ねこタクシー」の効用について

 個人的にはネコよりも、主人公の間瀬垣勤が4年前に中学校の教師を退職し、タクシー運転手に転職した動機が気になる。どうやら勤は人付き合いが苦手で、父親からも「勤は人を信用しすぎる。人なんてそんな良いもんじゃない。」と言われ、だから例えば、タクシーのカーナビだって凄い人たちの超ナイスな知能で作っているはずだと思っていて、実際は間違った道を示されて立ち往生しても、逆走するために一旦タクシーを降りて心の準備を必要としてさらに乗客の怒りを買ってしまうのである。
 その後、野良猫の「御子神」と出会い、動物取扱責任者の資格試験に合格し、「ねこタクシー」の実現に奔走するのであるが、「御子神」が亡くなったと同時に勤はタクシー運転手を辞め、中学校の教師に復職する。しかしこの時の勤の心理が理解できない。ネコを介して個々の乗客と上手くコミュニケ―ションが出来るから勤は「ねこタクシー」に拘ったはずなのだが、ネコを失い、さらにコミュニケ―ションが困難な生徒をいっぺんに相手にしなければならない教師に復帰する勤の気持ちがよく分からないのである。


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