原題:『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)』
監督:五十嵐卓哉
脚本:榎戸洋司
撮影:神林剛
出演:上村祐翔/宮野真守/小野賢章/谷山紀章/諸星すみれ/細谷佳正/石田彰/中井和哉
2018年/日本
文学観の違いによる壮絶な争いについて
若い人たちが本作をどのように捉えて楽しんでいるのか寡聞にして知らないのだが、多少の文学の知識があるならば、中島敦を中心とする武装探偵社と、フョードル・D(=ドストエフスキー)と澁澤龍彦を中心とした敵方が対立する構図というのはつまるところ、漢文を素養とする日本の文豪たちとヨーロッパ文学を日本に紹介していた澁澤龍彦と外国人のフョードル・Dの、日本の文学者とは異なる素養を持つ文学者たちの抗争なのである。
本作における太宰治の立場が微妙なのは東京大学仏文科に入学したということよりも、『走れメロス』や『新ハムレット』など代表作に横文字が入っているという大衆のイメージによるものであろう。