現在、国立西洋美術館で催されている『プラド美術館展』で、ファン・アンドレス・リシ
(Rizi, Fray Juan Andrés)の『偶像を破壊する聖ベネディクトゥス(Saint Benedict Destroying Idols)』
(1662年以前)が展示してあるのだが、よく見ると偶像を破壊しているのは
聖ベネディクトゥスではなく大蛇の方で、聖ベネディクトゥスは右手に持った十字架を
かざしてその大蛇を退治しているのではないだろうか。実際に、聖ベネディクトゥスは
左手に聖母マリアの肖像画を持っているのだから、偶像を破壊する動機がないのである。
しかし原題も同じだから謎である。