MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『クソ野郎と美しき世界』

2018-04-18 00:13:42 | goo映画レビュー

原題:『クソ野郎と美しき世界』
監督:園子温/山内ケンジ/太田光/児玉裕一
脚本:園子温/山内ケンジ/太田光/児玉裕一
出演:稲垣吾郎/草彅剛/香取慎吾/浅野忠信/満島真之介/馬場ふみか/中島セナ/尾野真千子
2018年/日本

太田光に対するビートたけしの多大な影響力について

 とりあえず配給協力としてキノフィルムズが関わっているが、事実上のインディーズ作品で商業映画としてはありえないやりたい放題の自虐的作品である。
 それでは何が描かれているのか簡単に説明してみるならば、歌を奪われたり、小指の先を失ったり、あるいは全ての指を奪われようとしながら回復して大団円を迎えるというもので、つまり今の主演の3人の現状を表現しているのであるが、本作を制作したように今は芸能活動の場を取り戻したというだけで、今後の活躍はまたいずれ、という段階で本作は「インディーズ作品」の域を出ていない。
 「ピアニストを撃つな!」(園子温監督)、「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」(山内ケンジ監督)はほとんどストーリーらしきものが無く、「新しい詩(うた)」(児玉裕一監督)は3つの短編をまとめたものだからともかくとしても、太田光監督の「光へ、航る」はとても興味深い作品だった。
 太田光の芸風は以前からビートたけし(北野武)の影響を多大に受けたものだと思ってはいたのだが、映画でも大きな影響を受けていると感じる理由は、主人公のオサムがやくざ者で舞台が沖縄であるのみならず、沖縄に行く前にオサムと妻の裕子が行った場所がまさに「北の野」だったからである。
 ダイアローグはさすが漫才師と思わせるもので、カメラワークも悪くはなく、次作も期待させるクオリティーだと思う。


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