MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『クロール -凶暴領域-』

2019-11-06 00:56:09 | goo映画レビュー

原題:『Crawl』
監督:アレクサンドル・アジャ
脚本:マイケル・ラスムッセン/ショーン・ラスムッセン
撮影:マキシム・アレクサンドル
出演:カヤ・スコデラリオ/バリー・ペッパー/アンソン・ブーン/ホセ・パルマ/モリファイド・クラーク
2019年/アメリカ

「パニック・ホラー映画」に上手く組み込まれない「ヒューマンドラマ」

 フロリダ州が舞台となっている本作は、そこに向かってくる巨大ハリケーンを巡る「パニック映画」という要素に加えて主人公のヘイリー・ケラーと父親のデイヴが対峙する巨大ワニを巡る「ホラー映画」という要素もある。そして原題のクロールには幼少の頃から父親に鍛えられたヘイリーが大学で励んでいる水泳の泳法と同時に、ワニの特徴である「這う」行動にも掛かっていると思う。
 さらにこの良質の「パニック・ホラー映画」にはヘイリーとデイヴの親子の葛藤も描かれている。ヘイリーはデイヴの期待に応えようとするのだが、なかなかトップに立つことができないまま、両親は離婚してしまった。かつて家族で住んでいた家でヘイリーは大怪我をしていたデイヴを見つけたのだが、その地域は既にハリケーンの猛威に晒され、ワニにも取り囲まれていた。
 ヘイリーとワニとの「クロール」対決は辛うじてヘイリーに軍配が上がり、2人を捜索に来たヘリコプターに向かって発煙筒を振るヘイリーを見るデイヴにはナンバーワンではなくてもオンリーワンになった娘が眩しく見えたはずなのだが、後半はほぼ2人芝居になる本作が「ヒューマンドラマ」として上手く描写されているかどうかは微妙である。


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