2019年1月28日付毎日新聞夕刊に川崎浩専門編集委員が「大衆音楽 月評」というコラムで「『レコ大』『紅白』の影響力」という文章を寄せていた。かつてレコード大賞の審査委員長を務めたこともある川崎は、去年のレコード大賞に関して以下のように記している。
「年が明け、『レコ大』は『なぜ大賞はDA PUMPの『U.S.A.』じゃないんだ』という話題で持ち切りだった。選ばれたら選ばれたで『西城秀樹の『YOUNG MAN(Y.M.C.A.)』は候補にもならなかったんだから、大賞はおかしい』」という異議が唱えられたに違いない。」
川崎はこのように書くことで巧妙に重要な問題を無視している。それは「なぜ本来ならば外国曲で選ばれるはずがない『U.S.A.』が候補に選ばれたのか」という疑問である。結果的にDA PUMPの『U.S.A.』は少しでも視聴率を稼ぐために「客寄せパンダ」としてレコード大賞の審査委員たちに都合よく利用されただけだったのである。酷い話だと思う。