MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

必要とされない文化とは?

2008-04-21 08:12:47 | Weblog

ワッハ上方、移転反対2万人署名 「文化が消える」藤本義一さん憤り(産経新聞) - goo ニュース

 「ワッハ上方は、現在の場所で鼻で息を吸い(客を呼び込み)、口で吐く(客を

楽しませる)という正しい呼吸法ができている。施設移転というのは、耳で呼吸しろ

というもの」と藤本義一の文化を擁護する時に必ず使われるお決まりのレトリック

自体に文化の衰退を感じることは情けで目をつぶるとしても、結局、赤字が続いて

いるということは大阪府民はそのような“文化”をもう必要としていないということでは

ないのだろうか? 必要とされない文化が消えることに何か問題があるのか?

もし問題があるのならば集客努力をすればいいのである。努力といっても簡単な

ことである。要するに客を笑わせればいいだけのことだ。それにそんなに残したい

のであるのならば、私財を投じればいいのだ。


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『大いなる陰謀』 100点

2008-04-21 01:19:41 | goo映画レビュー

大いなる陰謀

2007年/アメリカ

ネタバレ

Won't Get Fooled Again, but......

総合★★★★★ 100

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 この作品はいわゆる‘ハリウッド映画’ではない。監督がロバート・レッドフォードではなく、トム・クルーズとメリル・ストリープが出演していなければ、ただの‘哲学的対話’をフューチャーしたようなインディペンデント的映画である。
 ところでロバート・レッドフォードは本当に共和党批判のためにこの作品を制作したのだろうか? もしそうならば話されている議論が難し過ぎる。共和党上院議員であるアーヴィングは自分が計画した軍事作戦でアフガニスタンに攻撃をしかけるが失敗する。その犠牲になった2人、メキシコ系アメリカ人のアーネストとブラックアメリカンのアリアンはマレー教授の優秀な教え子であり、高い志を持って戦地に赴いたが戦死してしまう。新しい軍事作戦の話をアーヴィングから直接聞いたジャーナリストのロスはその話が真実なのかどうか分からない。今までの戦争に関する情報の提供の仕方の反省からどうしていいのか分からなくなってしまう。2人の優秀な生徒を戦地に赴くことを止められなかったマレー教授は、優秀だがサボりがちなトッドを呼び出して強い意志をもって行動するように諭すが、トッドは聞く耳を持たない。
 トッドを除けば彼らは積極的に行動を起こして社会を、そして世界を少しでも良くしようと試みるのだが、結果的に全て失敗することになる。特にマレー教授の生徒に対する発言は矛盾している。結局、トッドに無関心でいるよりも兵士にでも志願して戦えといっていることにならないのか? そしてその矛盾はマレー教授だけにとどまらず、彼を演じているロバート・レッドフォードにも当てはまる。9.11以降のアメリカが関わっている戦争に対して問題提起したいという想いがこの作品の制作させた(=行動を起こした)のだと思うが、アメリカでの興行成績は惨憺たるものではっきり言って失敗したのだ。まさにこの作品内容の正しさを証明したことになった。言い換えるならば皮肉にもこの‘大失敗’が‘成功’ということになったのだ。それは原題『Lions for Lambs』にも当てはまる。誰がライオンで誰が子羊になるのかは結果次第だからだ。アーヴィングの作戦が成功していれば彼がライオンになれる。
 トッドの最後のセリフが興味深い。彼は「I'm not failing(僕は落第はしていない=僕は失敗はしていない)」と二重の意味で言っている。確かに行動を起こさない限り失敗はしない。それは現実から逃避しているように見えるが、これまで見てきたようにたとえ行動したとしても‘成功’することがない状況の中で私たちはどうすればいいのだろうか? ロバート・レッドフォードは政治以前の問題として老いた体に鞭打ってこの問いを観客に投げかけたかったのだと思う。


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『つぐない』 90点

2008-04-20 23:43:31 | goo映画レビュー

つぐない

2007年/イギリス

ネタバレ

‘つぐなった’のは誰なのか?

総合★★★★☆ 90

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 この作品を観終わっても、果たしてタイトルになっている「つぐない」が何を指しているのか分からない。少なくとも主人公であるブライオニーがつぐなっているのかどうか疑問が残る。
 思い返せば、ブライオニーは孤独な13歳の少女だった。脚本を書いても誰にも付き合ってもらえず、ほのかに恋心を抱いていたロビーの気持ちを確かめようとワザと池に飛び込むのだが、かえってロビーを怒らせてしまう。だから彼女はロビーと姉のセシーリアの関係が気になる。ブライオニーにとって10歳くらい歳が離れているセシーリアは姉である以上に恋敵なのだ。だから手紙を読んだ時も、2人の‘逢引’を目撃した時も‘文学少女’であるブライオニーが抱いた気持ちというのはショックではなく嫉妬だったのだと思う。
 そしてローラが何者かに襲われた時も、ブライオニーは嫉妬したのだと思う。「何故ロビーは私だけを相手にしないのか?」と。ブライオニーは犯人の顔を見たはずだが、その顔を彼女の記憶から奪ったのは嫉妬心であったのだ。しかしブライオニーは悪意で嘘をついたわけではない。悪意で嘘をついたのならば後悔するはずがない。悪意ではなく、むしろ彼女の心が愛に翻弄されたというべきであろう。実際、ブライオニーはローラが結婚する時、ローラを襲った犯人がローラの結婚相手であるポールであることを思い出し、ロビーでなかったことを確信することになる。この作品の中で‘つぐない’といえる行為はこのポールの結婚だけである。彼女自身にもまだよく分からなかった愛という情に翻弄されて犯してしまった罪をつぐなえと誰が13歳の少女に対して言えるというのだろうか? つまりこの作品はブライオニーのつぐないが描かれているのではなく、つぐないという行為がはらむ想像を絶する威力(=神聖さ、不可能性)と、それを目撃したブライオニーの、人生が一変してしまうほどの衝撃が描かれていると思うのだが、他のレビューを読む限り正確に伝わっていないということは、多少分かり難いのかもしれない。
 ちなみに作品内で上映されていた映画は、絶望の中でも小さな幸せを求めるラヴストーリー『霧の波止場(Le Quai des Brumes)』である。
 ミニチュアの家から始まり、‘理想’の家で終わるのだが、そこに住むべき人たちがいないことが悲しみを誘う。


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嵐の予感

2008-04-20 06:33:19 | Weblog

洞爺湖サミット会場のホテル料理長を暴行容疑で逮捕(読売新聞) - goo ニュース

 「たかがファストフード店の分際で、フランスの名門料理店の支店『ミシェル・

ブラストーヤジャポン』の料理長である俺様に意見をするな」という気持ちになる

ことは分からないわけではないが、そうであるのなら何故それほど舌の肥えている

人間がファストフード店のバーベキューソースごときを手に入れようとしたのかが

理解できない。しかしこの事件は嵐を予感させないだろうか? 各国から集まって

くるだろう環境問題に“肥えた”人々が腹を立てて今回のように暴れそうな気がする

のである。幸運を祈る。


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ブームに便乗?

2008-04-19 00:12:10 | Weblog

福田内閣、不支持が5割超=支持続落27.6%に-時事世論調査(時事通信) - goo ニュース

 この世論調査に驚かされた。何故まだ支持する人が27.6%もいるのか?

この首相の頓珍漢発言には枚挙にいとまがないのであるが、子供の携帯電話の

所持に「ろくなことがない」と言ったそうである。このパブロフの犬的条件反射発言は

勿論間違いであって携帯電話がニュースになる時は大抵悪いことが起こった時

だけだからそのような印象を持ってしまうだけで役に立っていることも数限りなく

あるはずなのだ。最近「羞恥心」というトリオが人気を得ているのだが、福田内閣の

27.6%の支持はこの“バカキャラ”ブームがなければありえない数字である。


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事なかれ主義

2008-04-18 09:14:00 | Weblog

チベットの声に耳を塞ぐ“親中”福田政権の過剰な配慮【週刊・上杉隆】 (ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

 3月10日に2人のチベット僧侶が中国公安部の官憲のリンチによって公然と

殺されたのが今回のチベット騒動の原因であるのならば、各国首脳と同様に

日本の首相も真相の解明を求めて何らかの対応が必要である。特に日本は

隣国であるのだから今回の問題に関する中国への対応を誤ると、国際的な信用を

失いかねない。それはガソリン税撤廃による日本の環境問題の国際的な信用低下

とは全くレベルの違う問題であり、国際的な信用の喪失は逆に言えば中国頼みの

外交になることである。つまり日本の“チベット化”である。福田は名古屋高裁の

多国籍軍の輸送違憲判決に関しても「傍論であり、判決は国が勝った」などと言い、

物事を真摯に深く考察することをしない。この人にかかれば日本には何の問題も

存在しなくなってしまう。いずれ取り返しのつかないことになるのだろうが、その頃

にはこの人は既にこの世にいないのだろうから、日本の首相は楽な商売だ。


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まさに“頭でっかち”

2008-04-17 08:36:29 | Weblog

平城遷都1300年祭キャラ 愛称は決まったけど…(朝日新聞) - goo ニュース

 結局この件は出だしから失敗しているのだと思う。作者の藪内佐斗司という東京

芸大教授が今までどのような実績があったのか知らないのだが、普通マスコット

キャラクターというのは子供にも簡単に描けるようなデザインにするのではないの

だろうか? そして今回決まった愛称は「せんと」ということで一般公募で選んだ

らしい。「せんと」は「Saint=聖者」ということで外国人にも親しみやすいということ

らしいが、愛称こそコピーライターに頼み、キャラクターのデザインは一般公募

にするべきだった。要するにキャラクターに象徴されているように“頭でっかち”の

キャラクター作りのために人々の琴線に掠りもしないのだ。


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『ヒットマン』 50点

2008-04-16 01:55:16 | goo映画レビュー

ヒットマン

2007年/アメリカ

ネタバレ

深みを装うだけの浅はかさ

総合★★☆☆☆ 50

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 元々ヴィデオゲームのキャラクターを映画化したものであるのだから、細かいことは気にしないでバイオレンスアクションを観て楽しめばいいのではあろうが、それにしても不思議な設定である。
 主人公のエージェント47はアフリカ北西部のニジェール共和国出身であるが、ニジェール共和国はイスラム教がメインであるのだから、オープニングでカトリック教会の聖母マリアへの賛歌「アヴェ・マリア」が流れることが理解できない。
 エージェント47は宗教を通して愛の意味を知り、インターポールの捜査官であるホイッティアの部屋に夜中に忍び込み自分と同じように人に銃を向ける捜査官に対して正義の意味を糺す。簡略して言えばホイッティアは自分の愛する人を守るために戦うのが正義だと答えるのであるが、問いが大きい割には答えがありふれていて説得力がない。あえて宗教を絡めているのだが、見掛け倒しに終わってしまっている。
 ニカとかかわりながらエージェント47は愛することを知るのではあるが、絡みがぎこちなくてここでも説得力がなく『レオン』には遠く及ばない。
 ラストシーンはニカがぶどう園のパンフレットを見るシーンである。宗教的観点から見ればぶどう園はヨハネ福音書15章5節「ぶどうの木と枝」の物語を想起させようとしているのだと思われるが(エージェント47が木として清い枝であるニカを守り、枝は多くの実を結ぶ)、内容に踏み込むような描き方はなされていない。それにここでもまだニカを暗殺しようとしているヒットマンがいる設定になっているがこの時点では全てチャラになっているはずなのだから、明らかに物語が破綻している。リュック・べッソンが関わる作品は何故か大抵内容が薄くなってしまう。
 唯一物語の構築に関して工夫が見られる部分は、前半で本物の方の政治家ミハイル・ベリコフを銃殺して偽のミハイル・ベリコフを利用しようとした代わりに、ラストでは偽のエージェント47を殺して本物のエージェント47を生きさせる対照性くらいだろう。


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まさに“死に体”

2008-04-16 00:34:31 | Weblog

福田首相、10年前にがん手術か(読売新聞) - goo ニュース

 この人の一国の首相としての緊張感の無さは驚嘆に値する。余計なことはよく

喋るのに肝心なことは歯切れが悪い。先日も「道路族というような人がいるんですか

ねえ? 道路族と決め付けるのは良くないですよ」と呑気なことを言っていたが、

私はこの発言を聞いた時に、この人は改革をする気が全く無いことが分かった。

道路族という人がいるから国交省は財政面で潤っているということは福田は知って

いるのではあろうが直視して改革しようとするだけの勇気がないのである。福田が

首相である限り日本が良くなる可能性は全く無い。


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『ブラックサイト』 60点

2008-04-15 23:36:39 | goo映画レビュー

ブラックサイト

2008年/アメリカ

ネタバレ

描けない結末

総合★★★☆☆ 60

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 題材は悪くはないのだが、題材が良過ぎることでかえって持て余している感じは拭えない。元々ネットで見る映像と映画の映像の相性が悪いのかもしれないが、どう考えても被害者の拉致や処刑場などの込み入ったセッティング、誰にも見られないようにした死体の処理の仕方など単独でできるようなものではない。犯人の犯行の動機が弱いという意見も納得できるが、しかしもし犯人が無差別殺人犯だとするとターゲットは誘拐しやすい子供になる。子供の処刑シーンがある映画は上映できないであろう。ネットの映像と映画の映像の相性が悪いというのはそのような意味である。
 見所を挙げるとするならば、むしろグダグダで終わるラストシーンであろう。ネット犯罪専門捜査官であるジェニファーが自力で拉致から脱出して犯人を銃殺した後、自分が捜査官であることを証明するためカメラに向けて警察証を示して唐突に終わってしまうのである。つまり公開処刑のようなことはさせないために犯人を捕まえるはずが、犯人を殺すことでいつの間にか捜査官自身が犯人と同じことをしてしまうというジレンマが描かれるのである。その上最後に示される膨大なスレッド数は別の動機でそれだけの数の人間が同じようなことをしているという暗示であり、その救いのなさがあのような結末になったのだと思う。
 ちなみに最初にネコが殺された理由は「Curiosity killed the cat(好奇心はネコを殺す=あまりせんさく好きだと面倒に巻き込まれる)」という知りたがりをいさめる諺からきている。


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