THE FOURTH PARTY

チョイ毒エッセイのようなもの。コメント欄でのやりとりはしません。用事がある人のみ書き込んでくだされ。

サンダー(ディスクグラインダー、ディスクサンダー)

2007-12-05 21:28:11 | 工作

前回のドリルに続いて、今回はサンダー。

俺自身ついつい「サンダー」と呼んでしまうが、正式には「ディスクグラインダー」である。
サンダーとは研磨(特にサンディング)にに特化した道具であり、切断・研削・研磨を総合的に行う道具は「ディスクグラインダー」と称する・・・と個人的には認識している。正しいかどうかは知らない。でも何でみんな「サンダー」と呼ぶようになったんだろう?

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グラインダーはドリルと同じく、大きさの規格がある。それはディスクの径である。
砥石径で100mm、125mm、150mm、180mm、205mmとある。
結論から言えば、特別な理由が無い限りは100mm径の物を選ぶべきである。逆にホームセンター等でサンダーを購入しようとしても、並べられているのは100mmばかりの筈であるので、必然的にそれを選ぶ事になるであろう。

グラインダー本体は必ずしも高級品を使う必要は無い。俺が仕事で使っている物で1万円チョイ。最近はサンキュッパとかニイキュッパのバッタ物も販売されている。趣味で使う程度なら、割り切れば得に問題なく使える。ただし回転フィールが荒っぽい。一定以上のクオリティの物は「チュイーーーン」という感じだが、安物は「ウイーーーーン・・・カラカラカラ・・・・」というカンジの物が多い気がする。

仕事では2台のグラインダーを使用しており、片方はかなりの骨董品。グラインダー本体は消耗品的に考える人が多いが、我社のグラインダーは一度だけ軽度のトラブルで修理に出した事があるだけで、殆ど壊れない。なのでケチらずに良いものを買った方が良いのではと思う。有名メーカーの物であればカーボンブラシの入手にも困らない。
高級品(?)で購入候補に挙がるのは、電子式の物・・・つまり、回転スピードの調整ができるもの。一定以上のレベルの加工をしようと思うと、アルミやステンレス等の材質や、加工内容によって回転数を変えたくなる。また回転数を落とす事によって研削時の音を低減できるので、住宅地で作業する場合は有効だ。
但し、本来は別にスピードコントローラーを用意する方が良いと思う。

一般的に良く使うディスクは、切断ディスクと研削・研磨ディスク。
ごく一部の例外を除けば、切断ディスクは全てオフセットが無い形状(単なるフラットな円盤)、研削・研磨ディスクは全てがオフセットしている(中央だけポコッと飛び出している)。形状の違いは、ディスクの厚みの部分を使うか面を使うかの違いからくる物。

ディスクの取り付け取り外しには専用のハンドルが添付されてくるが、通常は使わない。ストッパーを押しておいて、ディスクそのものを手で回せば簡単に取り付け取り外しができる。切断ディスクが小さくなってしまうまでシツコク使った時などはこの方法では苦労するので、ハンドルを使用する。特に新しいサンダーはゴムのダンパーの圧力でディスクを保持する仕掛けになっているので、ハンドルは100回のうち1回使うか使わないか。
ロックナットは裏表で形状が異なる。これは本来は厚みが薄いディスクと、分厚いディスクで使い分ける為である。二次的に、中央部分がディスクの穴にポコッと嵌る面で使用すればセンターナットの飛び出しを少なく出来るので、研削ディスク使用時に有効。

それとこれは必ずしもお勧めする事ではないが、俺はディスクのカバー(ホイールカバー)を取り外して使用している。切断時も研削時も、深い角度で使用できるからである。もしこれをやる場合は、怪我には充分注意して下さい。軍手ではなく革手を使った方が安全。
グラインダーにはブレーキが付いていないので、スイッチを切っても暫く惰性で回り続ける。この時に手動ブレーキ的に何処かへ擦り付けて、強制的に動きを止める人が結構多い。あまり知られていないが、最近の製品はディスクの取り付け面の反対にはフラットな部分が作ってあり、ディスクを上にした状態で安定した置き方が出来るような形状となっている物も多い。
なのでスイッチを切って惰性で回っている間に、裏っ返して置くとプロっぽい(笑)。

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我社は看板屋であるが、金属加工の仕事に限って言えば「鉄骨屋」というよりも「板金屋」に近い。鉄骨の場合は溶接痕(ビード)を真っ平らに削り取る事はかなり稀だが、板金の場合は良くある。板金溶接の仕事では溶接そのものよりも、サンダーによる仕上げの方が重要で、如何に別々のものをくっ付けたのが分からない様に仕上げるかがウデの見せ所。
例えば、コレはステンレス角パイプをトメ(45°)で切断して溶接した物。

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バイクのじゃなくて、仕事で造った製品。溶接痕をサンダーで削り、削った目を消していく。

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最終的にヘアラインを切り直し。するとアラ不思議! 始めからこういう形をしていたみたいになってしまう!

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若い衆などは研削ディスクの外周ばかり減ってしまうが、ウデの良い人は面部分が減っていく。なので研削ディスク使用時、若い衆の場合はディスクがだんだん小さくなってしまって交換となり、ウデの良い人は外径が変わらない内に交換する事となるケースが多い。

我社で使用しているディスク類。
メーカーやブランドは特に拘っている訳ではなく、業者さんの勧めるものを使用しているだけ。

【フレキシブル砥石】
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スキルタッチS(日本レヂボン
板金作業の研削に使用する。メーカーによると、「削る」ではなく「磨く」商品カテゴリーに属するらしい。ディスクがかなり撓るので、研削作業で面を出しやすい。

【オフセット砥石】
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レヂボンエースゴールドRA-GⅡ(日本レヂボン
鉄骨製作時の研削に使用する。単純に突起部分を削りたい場合に使用し、芸の細かい作業には使えない。

【多羽根ディスク】
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マックフラットディスク(マック株式会社=マツモト産業のグループ会社)
サンドペーパーが付いている。勿論番手も選べる。スキルタッチで削った跡を整えるのに使用。また、木も削れる。

【PVA砥石(弾性砥石)】
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ハイラップ(日本特殊研砥
説明が難しいが・・・砂消しゴムの様な、スポンジの様なディスク。サンディング目を消すのに使用する。バフやヘアライン仕上げ前に使う。

【オフセットサイザルディスク】
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サイザルディスク(トラスコ中山
我社にはバフモーターは無いので、コレを使っている。白棒や青棒などを付けて使う。ちなみに仕事では殆ど使わない。バイクいじりに使うのが主。

【フェルトディスク】
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フェルトディスク(トラスコ中山
ピカピカに仕上げたい時に使う。直ぐに目詰まりするので、ドレッサー(いわば目立て)をコマメに掛けなければ時間の無駄。やはり仕事では殆ど使わない・・・。

【ダイヤモンドディスク】
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ドリルや旋盤の刃物を研ぐのに使用している。ここに紹介しているディスクの中で最も高い。

【ワイヤーカップ】
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これはホームセンターで適当にチョイスした物。
主に鉄骨の錆びを取るのに使用している。

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↑試しに買ってみたが、今ひとつ使い道の無いホイール。一番左のイチグチのBSスコーライトディスクは、用途によっては心強い味方。

【切断砥石】
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レヂボンスーパーカット(日本レヂボン
コレは良く切れる! 安物では全然切れない上に減りが早い。

【ダイヤモンドホイール】
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凡そこのブログを見ている人は、まず期待していないであろう用途・・・コンクリートや石などを切る刃物。

カンザワのベルトサンダーのアタッチメント
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ディスクサンダーをベルトサンダーに変身させる事ができるが、少なくとも俺の仕事や趣味にはあまり合わないようだ。メーカー自身が「DIY向け」という表現をしている。が、同社の製品は我々プロにとっても、痒い所に手が届く製品が数多い。

その他、俺は使っていないがラバーパッドに両面テープなどで固定して使用するサンディングディスクも良く使われる。

コメント (2)
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