過労死予備群の「食から笑顔になる生活」

夜討ち朝駆けで仕事する日々。忙しくとも自分なりの手間をかけて、美味しく笑顔になる生活を志します。

25年の意味・日本酒に励まされて

2017-06-02 19:56:00 | 外食でリフレッシュ!
蒸し暑かった六月の始まりでした。想いが通じることなく、気持ちがヘコタレタ夜……。考えを巡らすことから、自分を解放したくて、会議の後、夜分に立ち寄りました。



綺麗な薄はり硝子のグラスで、ドラフト・ビールをぐっと飲む。ひんやりな喉ごしに、ほぅぅっ……ニッコリしたところで。

■蒸し豆腐、銀あん
濃厚な豆乳が手に入ったので、豆腐に仕立てました、と。冷たい物ばかりだと、疲れがとれないから、と、ニッコリ笑う女将に、ほっと和む。
ヒトを励ますのは、一椀から出来るのだと、我が身に還る想い(微笑)。

■トマト:レッドオーレ(静岡産)
ホッと一息ついてから、濃い香りの、ひんやりトマト(ニッコリ)。



■鰹のなめろう
鉄分リッチな風合いに、味噌と葱がきれいに調和して、夏酒をうれしく、進めてくれました。



■鰈の一夜干し(北海道)
おう、八寸皿にドォンの存在感。
きちんと藁で下げて干された、昔ながらの一夜干し。身厚でウマウマ!
この夜の真打!(笑)

これをいただきながら、回りのお席の魚談義に混ざります。
偶然なことに、四人が同じ学年という!(笑)
瀬戸内では干物にしない、生が一番といわれる、ハゲ(カワハギのこと)は惣菜だったのに今では高級魚。
埼玉は塩鮭の切り身か、鯵の干物だった、と。
岐阜は魚を食べるのは給食だった。
東京の下町、刺身も干物もなんでも。なめろうは房総のもの!

それぞれに、違うことが素敵だと私は思うのです(ニッコリ)。みんなニッポン!



■しっとりとした、おからをツマミ…。



■新玉葱のひんやりポタージュは、とろとろで。



ラベルも涼しげな、様々な夏酒を、100ml程のちょくで楽しんできました。



■牛しぐれ煮、山椒ちりめん、ご飯半膳、香の物

手のかかった品を、ちょいつまみ出来る幸せ。気持ちが荒んだ夜には、これだけで、自分が立て直されてくる気がします。(ニッコリ)
ほんのチョッピリ、案じてくれるが故のお小言を聞きながら(笑)。

この夜は、素敵な体験を、この後にさせて貰いました。
都内某所で、大事に保管されていた日本酒が、女将に縁あって、引き継がれて。





平成5年の生酒、25年物の満寿泉!
淡い金色に染まり、深い甘さをもつ。
本来、古酒にするために作ったのではない日本酒が、冷温庫で丁寧に保管されると、こんな熟成を示すのか!

もちろん、同じ環境でも、酸化してしまった瓶もあったそう。開けてみるまで解らない、飲んでみようと気づかなければ、出会うことのない味。



同じように初亀は、屠蘇酒のような香りをのせていました。

四合瓶よりは一升瓶、大きい方が熟成の可能性が豊かなのは、ベルギービールと同じでした。
日本酒の可能性を信じて、先駆けとなってくれた、馴染みの大将たちの顔が脳裏に浮かびました。日本酒には、こんな顔も見れたんだ、と。知ったら、きっと喜んだ、と。

25年、私の人生は、どんな熟成だろうか……誰も自分は見えていない。どうか、時を経て、開栓された日に、誰かを揺さぶる命でありますように。

そんな想いをもつことで、励まされた夜でした。どんな変化を遂げようと、淡々と歩いていこう…と。生きていて、体験することの有り難さに、誰かに何かに励まされたように感じた夜でした。(ニッコリ)

翌朝、トランプ大統領のパリ協定離脱の決定をききました。
こんなに蒼い空があり、小鳥の鳴き声がする、小学生が走り抜ける街かど。これを25年先に、遺してやれないのかと、心がうなだれていくようでした…。
いいや、諦めてはいけない。諦めたら、あの日本酒に出会えなかったのだから。自分が出来る何かを探して、今日も頑張ろうと、思った朝でした。

■大塚まるま


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