9月22日から沖縄を訪問していた李登輝氏が、注目すべき発言をおこなった。沖縄県知事との会合で、尖閣列島は日本の領土だと明言したのだ。
ところが、朝日新聞などの「親中派」マスコミは、おおむねこの発言を黙殺した。
李登輝氏の真意はどこにあるのか?
もっとも分かりやすく書かれた解説を見つけたので、ここに引用させていただく。(以下は引用)
誤解も謗りも恐れず、台湾国民に真実を訴える(首里城にて)
中村圭志2008/10/01
沖縄を訪れた李登輝氏が尖閣諸島を「日本の領土だ」と発言した。今回が初めてではないが、李氏があえて主張し続けるのは、この問題で中国と歩調を合わせて騒いでは、台湾の独立性まで危なくなるとの懸念があるからだろう。
22日から沖縄県を訪問していた李登輝氏は24日、仲井真弘多知事、稲嶺恵一前知事、高嶺善伸県議会議長らとの昼食会席上、尖閣諸島を「日本の領土だ」と発言した。
現地にいた「日本李登輝友の会」の会員によると、発言は以下のようなものだ。
「台湾と沖縄は地域的にも非常に近い。戦前の日本統治時代、台湾の漁民は尖閣諸島近辺で漁業をして生計を立てていた。獲った魚は本土に持っていくよりも(台湾の港町)基隆のほうが近いので、そこで水揚げして消費していた。
戦後、台湾と日本は別の国になり、尖閣諸島の近海は日本の海となった。尖閣諸島は間違いなく日本の領土。問題なのは、漁業権の問題だけ。昔どおり、そこで漁業をさせて欲しいというだけの話だ。
私が総統の時代、漁業権の解決のため、日本の農林水産省と交渉を始めた。現在の馬英九政権の「尖閣諸島は中華民国の領土」という主張とは全く違う。あれはただの政治的なものだ。」
李登輝氏が「尖閣は日本領」と発言するのは今回が初めてではないが、それでも同行取材の台湾メディアは一斉にこれを大きく取り上げた。 メディアは午後も、首里城を見学する李登輝氏に殺到、ここでも同氏はこう断言した。
「もちろん、日本のものだ。台湾が『自分のものだ』と言い張るのはおかしい。歴史上、そのような記載はないし、いかなる決定、地理上の画定もなかった。」
「きれいな娘を見て、『あれは私の妻だ』と言うことができるか。歴史に基づいて考えるべきだ。」
1970年発行の台湾の地理教科書。李登輝氏の言うとおり、「尖閣群島」は中華民国領ではなく日本領。
「1970年ごろまで、台湾や中国の教科書の地図には、尖閣諸島ははっきりと「尖閣」と言う名の日本領域内の島々として描かれていたのだ。ところが現在日本では、そうした都合の悪い文献が在日中国人の組織的行動により、古書店では買い漁られ、図書館では盗まれ、あるいはページを破られるなどしていると言われる。台湾人はそのような中国人と、いつまで同じ立場に立ち続ける気なのか。」
李登輝氏が「売国奴」との非難も恐れず、あえて「日本の領土だ」と主張し続けるのは第1に、「この問題で中国と歩調を合わせて騒いでは、台湾が危なくなる」との懸念があるからだろう。
「釣魚台は中国領土」との主張の受け入れは「台湾は中国領土」と自認するに等しくなり、そのために対日関係を損なうなど愚の骨頂だと言うわけだ。 国民党政権の政治宣伝から抜け出せない台湾人を救おうと李登輝氏は孤軍奮闘している。日本人も国益のため、日台の運命共同体の関係に「陽光」をもたらす努力が必要なのだ。
戦後の台湾で、最初に「台湾は中国の一部ではない」と世界に訴えた総統が李登輝氏だった。蒋介石時代以来の「1つの中国」の建前を放棄し、台湾を「台湾人の主権国家」へと改造した李登輝氏は、かくして台湾を併呑して東アジア・西太平洋地域に覇権を打ち立てることを国家目標に定める中国にとり、世界で最も許しがたい人間となった。
だから、総統選挙で同氏の当選を阻止するため、台湾沖合いにミサイルを撃ち込み、世界を震撼させるまでしたのだ。 李登輝氏は台湾を防衛するために、中国人化教育で洗脳された台湾国民に台湾人意識を持たせる一方、「日本と台湾は運命共同体」「台湾は日本の生命線」だとして、日本人に奮起と、台湾との関係強化を訴えてきた。
22日から沖縄県を訪問していた李登輝氏は25日午前、帰国の途に着いた。