エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

 自然の中にこそ ビオトープ必要

2017-06-29 | 環境問題

 

 我が家から自転車で約10分、田んぼの一角にレンコン池がある。ここは素晴らしいビオトープだ。

  先日、例年梅雨時に発生するモートンイトトンボを撮りに出かけた。

  美しいオスは、胸部が淡黄緑色で黒色の条斑があり、腹端はあざやかな橙黄色。橙色の未成熟のメスもスイスイ飛び交っていた。

  この折りに、ルリ色の宝石のような目をしたアマゴイルリトンボを発見し嬉しかった。福島、新潟、山形、長野の4県にしかいない希少なトンボだ。

 この池ができて10年程になるが、すぐにいろいろな生き物が棲みついた。

 ビオトープとは本来、生き物の住む場所というドイツ語の合成語である。

 一時、自然環境教育教材として都会の学校に広まった。その意義は確かに大きい。

 でも、生態系や生物多様性の危機にある現在、より豊かな自然の残る里山にこそビオトープが必要と考える。

 池の周囲の多くの休耕田に、第2,第3の水辺環境を作ることはできないだろうか。

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  モートンイトトンボ ♂ 

  ♀   抜け殻 未成熟♀   ♂ ♂  未成熟♂  未成熟♀

    アマゴイルリトンボ   ♂ 連結 

 交尾 

   

   オオアオイトトンボ

 エゾイトトンボ  クロイトトンボ

   ハラビロトンボ

ハラビロトンボ単独で産卵 エゾイトトンボ産卵 

アジアイトトンボ交尾

 アジアイトトンボ未成熟♀  ♂の頭がない

 ウラギンヒョウモン初見       アカタテハ産卵 イラクサギンイチモンジセセリ モンシロチョウ ソバの花 

 ♂  ヒメシジミ♀

  

 ヨツボシトンボ   シオヤトンボ  

  

    クララ咲く オオルリシジミを思う

    

 

 

 


猪苗代湖周辺の 貴重な水生昆虫

2016-11-26 | 環境問題

 

午後1時、猪苗代町で開催された「猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全フォーラム」に参加した。

   

 日頃、猪苗代湖周辺の池沼を巡りながら、絶滅が危惧されているトンボの保護を訴えていたので、

この地域における底生動物相についての福大の塘教授の講演は実に興味深いものだった。

驚いたことに、この地区での調査研究は始まったばかりだと聞いた。

今後、詳しい調査結果から生息の実態や問題点が指摘されるだろうが、

それを待つまでもなく貴重な水生昆虫トンボ類の保護は一刻の猶予もなく、その具体的実践が急務と考えている。

文化遺産も大切だが、例えば猪苗代湖周辺の貴重な水辺環境などの自然遺産にもっと目を向けなければならないと思う。

時を同じくして、福大に新設計画の農学類に4つの教育研究領域が発表された。

その中の1つ「循環・環境学」に期待している。

そこでは、特に経済と結びつかずとも、是非とも自然保護を中心に据えた学究的な研究内容を期待したい。

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フォーラム前の午前中、久々に崎川浜へコハクチョウを見に行った。

赤井を過ぎると、田んぼに群をなして休んでいた。わずかに残る水辺で何かを啄んでいた。

崎川浜には、白鳥は全くいなかった。オナガガモも少ない。まだ、これから渡ってくるのだろう。

田んぼの落ち穂や草などを食べているようだが、昨今のコンベアーでの刈り取りでは、ほとんど落ち穂はないだろう。

よく、コハクチョウが湖で逆立ちして潜っている光景を見るが、あの長い首はそのためだろう。

数年前からは鳥インフルエンザ発生のため、近づいてのエサやりは止めようとなった。

以来、崎川浜でもエサやり風景はないようだ。でも、最近長浜ではパンくずを売っていて、エサやりが見られるようになった。

田のコハクチョウを見ているとかわいそうで、玄米でも持って行ってやろうかとも考えているが、本来は野生のままにすることが必要らしい。

  

 

  崎川浜 オナガガモも少ない

   

 愛おしい水鳥にふれあい、諸々の感慨に打たれた。   時間も来たので、一路、猪苗代のフォーラムへ向かった。

 

 


里山の自然 荒廃を憂う

2016-11-17 | 環境問題

晩秋の庭の日だまりに、じっとして動かないアキアカネを眺めながら、この一年の里山を巡りを振り返っている。

今年も徐々に自然環境の荒廃が進んでいる。

そんな警鐘を発することはできても、その達成への具体化は難しいと痛感している。

行政にも応援を期待して要望や提言をしてきたが、積極性は見られず残念だ。

身近に絶滅寸前の小さな虫たちを見るとき、それらを拒む方策は皆無と言って良い。

例えば身近な池でも、長い間にそこに棲みついたトンボを始め、貴重な水生生物の生息が脅かされ消えていった。

世の中、いつか叫ばれた自然環境保護の機運は今はない。

盛り上がる観光会津の声も、経済優先でなくもっと豊かな自然環境に目を向けて欲しい。

里山の自然環境は数十年単位で明らかに貧しくなり、既に見られなくなった幾多の虫たちを取り戻したい思いで一杯だ。

地域の開発にももっと小さな自然をおもんばかる、きちんとした環境アセスメントが大切と思っている。  

 

以下は、勝手に呼んでいた”トンボ池の変容だ。

 今は・・・→

    今は・・・ → 

  今は・・・ →   

左側の写真は、2007~2009年の写真   それが今や→  右は今年20016年の写真へ   カヤがはびこり、ほぼ池の9割を占めている。

もう5~6年前までは毎年見られたマダラナニワトンボも、チョウトンボもすっかり姿を消した。

トンボだけではない、水生生物も見られ無くなった。6~7年前からポンプが故障、一時水量が減り、水面に油も浮いて、池の水温は42℃にもなった。

一昨年、長年訴えてきたポンプの修理がされ、6年ぶりに水量は確保された。でも、池の植生の変化への対応も考えなければならない。

いま開放水面は1割程か、周囲から池は見えなくなてしまった。

専門家に参画してもらい、ふさわしい水辺環境を検討して欲しいと思っている。

 

さらに、数年前に確認した「要注意外来生物」に指定されるアメリカザリガニがかなり増えている。

雑食性のため、水生生物のみならず水草も食べつくし豊かだった生態系も崩壊の危機にある。

取り返しのつかない状況になる前に、駆除を急ぐ必要がある。

行政には、気づいたときに要望を繰り返してきたが、かつての水辺環境復活が急務だ.。日々悩んでいる。

以前見られた水生生物

 マダラナニワトンボ  もう見られない

チョウトンボ 最近見られなくなった

 オオアオイトトンボ集団産卵  今はめっきり減った 

ゲンゴロウ オオルリボシヤンマ捕食  コイムシ  マツモムシ ・・・・・

   

   きれいなビオトープだった。

 

 


道端の雑草 豊かな自然

2016-11-11 | 環境問題

市道から我が家までの100mほどの私道は、今どき市内ではほとんど見られないデコボコ道だ。

雪の季節の並々ならぬ苦労を思い、市道への編入を訴え続けているが、いまだに実現されない。

でも、道の両側に雑草が生い茂るこの道がコンクリート化されずに良かったと思っている。

   

いま晩秋の道端には、最後の花を咲かせるカタバミにヤマトシジミが吸蜜し、

黄色い草モミジにヨモギハムシの小さな命の営みが見られる。

色づいたブスは宝石のように美しい。

雪解けにはフキノトウも顔を出し、オオイヌノフグリが元気に咲き、ツクシが背比べをする。

小学生の孫のタンポポ観察のフィールドになったこともあった。

このデコボコ道の草むらは小さな生き物のすみかだ。

ときに佇み、ときにみずみずしい草むらに踏み込み、毎日新しい発見をする。

四季折々に豊かに輝いているその道ばたの雑草を楽しみながら、味気ないコンクリートの文化を反省している。

 

 ナナカマド   カリンまだ葉は緑色

  日一日濃くなるモミジ

 

 


多少の安堵と 意気消沈

2016-06-23 | 環境問題

 

◎ 多少の安堵

 発生には少し早いかと思いながらも、数年前から見かけなくなったチョウトンボを見つけにトンボ池へ行った。

 池に近づくと清らかな水の流れる音が聞こえた。

 しばらく辛い気持ちで覗いていた池に、何故か突然、清らかな地下水が勢いよく注がれていた。嬉しくなり写真を撮った。

 

 地下水流入     大分回復

   そこが見え始めていた→  水位上昇

     

    30センチほど水位低下                          小川乾燥                                    →   溢流水で小川回復 

 

 もう6~7年になる。毎年、池の水の悪化を訴えて故障したポンプの修繕を関係当局にお願いしてきた。

 そしてようやく昨年夏、ポンプが修理された。でもその後、どうしたことか、池の水は満たされることはなかった。

 いつか棲み付き産卵を続けていた絶滅が危惧されている(環境省絶滅危惧1類)マダラナニワトンボが来なくなって5年になる。

 チョウトンボ(準絶滅危惧種)も3年前から姿を消した。

 推測するに、水質が悪化と池の植生が変化により、産卵やヤゴの生息環境に影響いたものと考えている。

 人工池の水位の低下は、夏場の異常な水温上昇(42度)、富栄養化が進んだ。

 そして茅が繁茂し、開放水面がすっかり狭まってしまった。

 近いうち、当局にまたお願いに行こうと思っている。

 このまま、常に池が満杯に満たされていて欲しいこと。

 そして願わくば繁茂した茅を大幅に抜き取り、水辺の生き物たちが棲みやすい池を目指しての環境保全を。

 赤井谷地湿原の乾燥化が進み、長い間に育まれたトンボの宝庫が危機状態だ。

 この公園の池はじめ、谷地周囲の湖沼はビオトープネットワークを形成している。

 今こそその意義を考え、総合的な水辺環境の保全を図らなければならないと思っている。

 
◎ 意気消沈す

  ヒメシロチョウが危ないと訴え続けているが、今日も難しい現実に出会った。

 ヒメシロチョウは、環境省の絶滅危惧第1類、福島県では準絶滅危惧種に指定されている。

 トンボ池からの帰路、夏型の発生が始まったヒメシロチョウの里を訪ねた。

 1週間前、ホトトギスの鳴く静かな草原で、これまた絶滅が心配されるヒメシロチョウがさかんに産卵を繰り返していた。

 穏やかな気持ちで彼女らを見つめながら、いつまでも無事の生息を思い浮かべていた。

【豊かな草原に ヒメシロチョウの産卵盛ん】 6/14

繁茂するツルフジバカマ  

 中央にヒメシロチョウ  

 その草原一体に軽トラックなど6台の車が乗り付け、付近一帯の草刈りが終わりつつあった。

 夕方3時を廻り、約10人の作業員がしばしの休憩中だった。

 すっかり刈り込まれた丘の光景に落胆し、言葉もなかった。

 【何百のヒメシロチョウの卵が消えてしまった。】 6/22

       

               

 夏の終わりに羽化する第3化のヒメシロチョウの命が根こそぎ失われてしまったのだ。

 やり処のない怒りと情けない現実に、意気消沈とはこのこと、言葉もなく周囲を歩くだけだった。

 

 近くの刈り残されたツルフジバカマに黄色い産み付けられた新しいいのちを認めた。

 何もなかったように、生まれたばかりのヒメシロチョウ夏型が弱々しく舞い、花に止まっていた。

 

  
 
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 今日に里山巡りで、またいろいろ考えさせられた。

 経済優先で、物質的な豊かさを求める時代は、物言わぬ自然に耳をかたむけるべきだ。

 未だ間にあうと思う。しかし一度失われた自然を取り戻すことは難しい。

 今細々命をつないでいるチョウやトンボたちを絶滅させないための対策を急がなければならないと思っている。

 多忙で、やりたいやらなければならないことが後回しの現状に、ひとり悶々としている。

 でも、訴え続けたいと思う。掛け替えのないチョウやトンボたちのために。


戻ってきたホタル 自然と共生を願う

2016-06-16 | 環境問題

 

 夕食後、隣組の友人から水路でホタルが舞っていると電話があった。カメラを持って飛び出した。

あちこちで点滅するゲンジボタルのほのかな灯りは、実に30年ぶりの懐かしい癒しの光だった。

 

町内では、わずかに残っていた田んぼもいつしか宅地化され、土はアスファルトに覆われ、小川のせせらぎはU字溝に変わってしまった。

ホタルもドジョウもサワガニも消え、もう見ることはできないとあきらめていたから、本当に嬉しかった。
 

何年も前、近くの里山に工業団地が開発され、林の中を流れる小川も大きなU字溝水路に変わり、林間に憩うイトトンボが姿を消した。

併せて、虫たちが樹液に集まる木々も無惨に倒されてしまった。

下水道の普及による水質の改善や、U字溝のない小川が戻れば、消えた水辺の生き物は帰ってくると思っている。

ホタルの灯りを見つめながら、みどりの自然、小さな生き物との共生こそが豊かな住環境ではないかと考えている。


 


地域の自然守る 自然史博物館を

2015-09-11 | 環境問題


先日、学芸員のTakeさんから案内状をいただき、県立博物館での特別講演会を聞きに行った。

前に、Huruさんから、6/4福島市で開催された『シンポジュウム「国立自然史博物館をふくしまに!」』の資料をいただいた。

その主催は設立協議会で、第一回の表明の集まりだった。

その後Huruさんからこのことに関連ある方々の会合に混ぜて頂いた。

そのときの話題から、感じたことをまとめておいた。

以下は、そのときのコメント

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 自然史博館誘致に思う

 今月初め、福島市でシンポジウム「国立自然史博物館をふくしまに!」が開かれたことを知った。提言には、「動植物や鉱物などの自然史標本を収集保全し、人類の持続可能性の在り方を探る」とあった。本県には生物や自然に関する資料を標本として収集、研究、展示する博物館がなく、貴重な資料が散逸している現状らしい。そうであれば、国立にこだわることはなく町村単位でもいい、身近な地域の、おそらく私蔵され埋もれている多くの自然史を一堂にまとめることは急務ではないだろうか。振り返れば、昆虫少年のころから見つめてきた里山の虫たちも徐々に消えていった。かつてこの時期、我が家の庭でもオオムラサキの雄姿が見られ、ウメの木にはオオミスジが旋回し、ジャコウアゲハも卵を産んで行った。町内には小川が流れ、ホタルもサワガニもいた。この失われ続けた地域の自然の変化を冷静に見つめ、そんな人間の過ちを反省するためにも自然史博物館が欲しい。

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今回、関連の第2弾で、その具体的な中身が自分の中で鮮明になった。

講師は東北大学術博物館教授 西 弘嗣氏 で、第1部の」演題は「ふくしまに国立自然史博物館を設立する構想を語る」

第2部は、博物館館長 赤坂憲雄氏と、西教授の対談で、視聴者からの質問もでた。

自然史博物館設立を目指すこの機会に、ことの重要性を再認識できた。

対談で、赤坂館長の語った「国立でなくても・・・」は、はからずも考えの一致する方向だと思った。

いろいろ考えさせられたが、以下に、この感想の一端をまとめておく。

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地域の自然守る 自然史博物館を

 昨年、日本学術会議が、東北と沖縄の2箇所に国立の自然史博物館設立が望ましいと提言した。東日本大震災からの自然環境の回復を進め、人と自然の新たな関係を築くための好機と捉えて設立推進協議会が出来た。/先日、その協議会主催の特別講演「ふくしまに自然史博物館を作ろう!」を聴いた。自然史博物館の意義をあらためて認識でき、視聴後のアンケートには、この構想に賛成と答えた。この博物館の大きな目的は、散逸している生物標本の収集・管理にあるが、来館者に自然史標本で関心を持ってもらう次元でなく、明日の地域の自然を守るための自然史遺産の活用こそが必要だ。/であれば、国立にこだわらず、いまこそ県や市町村で失われ続ける自然を保全するための具体的な構想をたてるべきと思っている。気の遠くなるような長い時間に進化を遂げてきた野生生物が、毎日100種ずつ絶滅しているという。一度失われた自然は戻らない。一刻の猶予もない。

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時代が変わり、昔の自然史ではない。標本の新しい次元での活用が求められる。

DNAや3D情報技術など新技術による新しい解析が、将来の生物多様性研究に生かされなくてはならない。

 


昆虫観察会

2015-09-09 | 環境問題

  受付・資料配付 土壌観察

もり案の地区研修会に講師として参加した。

研修場所は、喜多方市中山森林公園、これまで、温泉には良く入りに行ったが、あの池の裏にこんな素晴らしい自然公園があるとは知らなかった。

雨が心配だったこともあり、また、昆虫が少ない実情を考慮して、90分ほどの与えられた時間を、写真を中心に虫の話を考えた。

前半は昆虫を僕の撮った写真で概観することにした。準備した写真は100枚を超えた。

後半は、いつも心配している、マダラナニワトンボ、コバネアオイトトンボ、ヒメシロチョウについて、保護の必要性を訴えた。

写真は、1週間かけてA4判写真用紙にコピーして、硬質のカードケースに入れた。

資料は全10ページを参加者分(17部)整えた。

 資料の内容は以下

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 テーマ 「会津のチョウ・トンボとその保護」

  1.昆虫概観  昆虫、トンボ、チョウ
  2.絶滅が心配される 会津のチョウ・トンボ
   (1)環境省の第4次レッドリスト
   (2)消えていく身近な虫たち
   (3)写真集:愛おしい会津のチョウ・トンボたち
  3.チョウ・トンボの保護を考える
   (1)自然の中のビオトープ
   (2)絶滅寸前のマダラナニワトンボ
   (3)B地区のヒメシロチョウの保護
  4.昆虫老人の願い
   (1)自然保護を訴える
   (2)自然保護思想を育てる
 (参考資料)

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: (表紙に、テーマと内容タイトル、連結打空産卵しているマダラナニワトンボの写真を添えた。)

曇り空の中、管理棟の野外で約1時間20分ほどの話を、皆さん熱心に聞いてくださった。

その後、山へ入りわずかに飛び交うアキアカネ、ノシメトンボをとらえ観察した。

「これはこうで、アキアカネのオスです。」と解説したら、なんと捕らえた腹部の赤い尾からなんと卵を産んだ。

疑問のまま、その場ではメスであったことを不思議に感じた。あとで調べると、アキアカネのメスにも赤くなる個体もあることを知り、反省、反省。

昆虫観察をしながら、途中、土壌のことをE.satさんから指導を受けた。

朝8時45分開会式、(昆虫観察会と土壌観察会)の研修を終えたのが11時45分だった。

帰りに温泉に浸かる計画だったが、疲れた。かなり延びた会津縦貫道路を走りまっすぐに帰宅した。

秋風が吹き込む窓辺で、一仕事終えた開放感に浸った。   2015.9.5 (土)

         


もう遅いが、訴えたい自然保護

2014-12-06 | 環境問題

  今朝、数センチの積雪、雪道は億劫だが萌ちゃんをドッジボールの練習会場へ送った。武くんは風邪でダウンだ。
 
  終日PCに向かい、もろもろの書類を整理した。
 ○町内会は2月の総会へ向けた原稿や、役員会議資料が十数ページあった。        

  ○遅くなったが、県の自然保護課へ保護サポーターの活動報告をした。
   とりあえず、「レッドデータブックふくしま」に掲載の昆虫類11種について
  確認した場所や日時、確認物等の一覧と、拙ブログで訴えている文章を同封した。

 ○洗面所の天井が色あせたのでの色塗りに取り掛かった。

  寒くて活動が鈍るが、やらなければならないことが多い。

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   一つの思いをまとめた。

   「もう遅いが、訴えたい自然保護」
  去年の今頃、我が家の裏の野原で宅地開発が始まった。隣接する神社裏の林の木々が切られ、境界を越えて枝を茂らせていた我が家の桜の木も倒された。庭にときどき来ていたキジも姿が見られなくなった。かつて30年ほど前には、庭の梅の木にオオミスジが舞い、オオムラサキやコムラサキなどのチョウも見られた。また、数年前まで見られたホタルや、土手の水路のサワガニやドジョウも、束の間の宅地造成で田んぼと共に失われてしまった。さらに、足繁く通っている里山も徐々に自然が失われ、貴重なチョウやトンボが姿を消しつつある。
 長い間進化を遂げてきた身近な生物種が驚くようなスピードで絶滅し続けている。地球は借り物なのに、人間だけが技術を開発し、資源を消費し、廃棄物を出し続け、生態系を壊し続けてきた。もう、お金、お金の経済優先社会を反省し、便利さや物質的豊かさを求め続けることは止めたい。自然保護の課題は最優先に考えなければならないと思う。

     


 


ツルフジバカマの分布調査

2014-09-20 | 環境問題

 ヒメシロチョウの里で、今後保護のポイントとなる食草の分布を調べはじめた。
 来春計画しようと思っている食草の「ポイント計画」、つまり、土手や草原の草刈りの際、ツルフジバカマを一部刈り取らずに残す案だ。
 一段と、個体数は増えると思う。
  先ず、まん中の「田2」を丁寧に見て回った。いよいよ3化の個体数も減って来た。昼前のヒメシロ時間に併せて歩いたが、目撃は1頭のみだった。
 10ある田んぼの土手の5箇所にツルフジバカマがしっかり生えていて、その2箇所には新しい卵が産んであった。産みやすい株があるのだろう、一株に10数個も産んであるところもあった。

 

今まで葉の表に一個ずつ産み付けられているのが普通だが、葉の付け根に2個くっついて産んであるものもあった。産みたては白く、少したつと黄色くなっていた。順調に育って欲しい。
ところでどんなところで蛹化するのだろうか。雪の下でどう無事に過ごすのだろうか。

 近くの池ではオオルリボシヤンマが盛んに産卵していた。メスにもオスのようなブルーの斑紋がある個体もいた。また、アオイトトンボが集団で産卵していた。
 

 

 

 アオイトトンボ   オオアオイトトンボ

ウラギンヒョウモンが盛んに地面に産卵していたが、近くを探しても食草のスミレ類はないようだったが・・・。まさか無駄なことはしないだろう。

    コブシ
 
 秋が深まるが、もう何日かかけてこのヒメシロチョウの里の食草分布を調べたいと思う。


明るい兆し ヒメシロチョウの保護

2014-09-16 | 環境問題

 

 昨日、もう姿を見せてよいマダラナニワトンボに会いたい一心で出かけた。
残念ながら会えなかった。今年は、どうも会えないような記がしている。十数年、何とか運良く再会を果たしてきたが、残念だがそんな気がしている。

 帰りにヒメシロの里へ回った。ここでは3化のヒメシロチョウが盛んに産卵していた。

 産卵直後に刈られてしまった草原を前に呆然としていたことを思い出した。

 でも、あれから2週間、ツルフジバカマの新芽が10センチほどに伸びていた。

 そして未だ葉の開かない新芽を間違いなく見つけて、明日のいのちを産み落とす白いチョウを見つめることが出来た。自然の神秘、不思議を思った。
 ピントのあった写真は数10枚撮って1,2枚か、なかなか止まってくれない蝶の飛翔を撮った。

  ようやく見つけたツルフジバカマ

 

     

産卵は、ゆっくり写すことが出来る。逆さになり、葉の表にお腹を90°に曲げて一つの卵を産み付けた。

丁度卵が産み落とされる瞬間を撮ることが出来た。

無事に育って蛹化し、冬を越し、来春4月末に会えることを楽しみにしている。

       

    

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  今日、思い立ってヒメシロチョウの舞う姿を町役場のKさんに見てもらいたくて連絡を取った。11時に約束をして役場へ出向いた。

 農林課のOさん,Hさんも一緒に現地のヒメシロチョウを観察することが出来た。

 数日前に刈り取られた土手に刈り残されたツルフジバカマの芽を見てもらった。農道脇に花を付けているツルフジバカマを見てもらった。

 草原に着くと、目の前にヒメシロチョウが止まって産卵をはじめた。良いところを見ていただいた。

 未だ伸びたばかりのツルフジバカマの若葉に、3個の卵を見つけ観察できた。

 草原をしばらく見て歩き、この町の宝を認識していただいた。

 結構ありふれた草かも知れない。でも、このチョウは確実に減っていて、この地域にしか見られなくなってしまった。ここも、危ないのだ。

 年に3回も発生するチョウなのに、なぜ絶滅の道をたどっているのだろうか。やはり、除草に原因があると思われる。

 卵を産むと同時に、草が刈られてしまうのだ。せめて草刈の時期を考えたいと思っている。

 いつの時期も、何とか卵を産み付けが生長するだけの食草を確保しておきたいと思う。

 急に空が暗くなり雨が落ち始めた。雨の中、Oさんの薦めで近くの文化財関連施設に居られるSさんに話を聞いてもらうことになった。

 Oさんは、出来ることからやればいいといくつかの提言をして下さった。早急な役場の対応がありがたかった。 

 ヒメシロの生息するこの草原は年2回の刈り取りと聞いた。取りあえずは、これからは草刈りはないと知り安堵した。

 少なくとも今産み付けられたいのちがなんとか蛹になり、来春の羽化を想像できる状況が嬉しかった。

 前向きな町の協力を得て、明るく目の前が開ける思いがした。

 しばらくは来年からの策を練っていきたいと思っている。       2014.9.16


ヒメシロチョウの保護を訴える

2014-09-02 | 環境問題

 

  役場の担当者と連絡を取り、午前中にヒメシロチョウ保護についてお願いと提言をしてきた。担当のKiさんとKaさんが熱心に聞いてくれた。いくつもの資料を持参し、この地区に絶滅が心配されているヒメシロチョウが生息している事実を話し、その保護の必要性と対応についての提言を聞いてくれた。
  何年か前から、消えゆく虫たちのいのちを守るための行動をしてきた。でも、個人の力は弱いものだ。同調する仲間を求めていくつかの団体にも近づいた。
  しばらく絶滅が危惧される虫たちの保護や自然環境の保全を訴えても、具体的には何ら変わることはないことに焦りを感じていた。
 最近、行政にお願いする一つの道を選んでいくつかの行動を起こした。その一つだ。
 
 役場を訪ねたその足で,D地区にヒメシロチョウを訪ねた。すっかり刈り取られた草原にヒメシロチョウの姿はなかった。実りの秋、穂を垂れはじめた田んぼの上をひらひら舞う一頭をようやく見つけた。仲間を捜しながら、刈り取られた土手を行ったり来たり、珍しくツユクサの蜜を吸う。タデの花にも止まった。寂しさが込み上げてきた。

土手によっては、所々にツルフジバカマも伸び始めていた。今羽化しはじめたヒメシロチョウがそれらに産卵すれば、稲刈り間近の土手の草刈りはないこの先はないだろう。何とか無事に蛹化し、来春元気な姿を見たいとこころから願っている。繰り返す数十年来の思いだ。

 

 久々の晴天に蕎麦の花にはウラギンスジヒョウモン、アカタテハ、オオチャバネセセリが訪れていた。

スジグロシロチョウの産卵をじっくり観察した。
    

  

  

    

 

 


ヒメシロチョウが危ない

2014-08-30 | 環境問題

 

田んぼの脇の広い草原にヒメシロチョウの産卵を見たのは数日前だ。

田の土手のツルフジバカマは刈られる運命、いつもはらはら見つめていたが、この草原の草は頻繁には刈られない。

多少安心していたが、昨日訪ねるとこの草原もすっかり刈られていた。

刈られた草原   刈られた土手

昨日、土手の草刈りしている農家の人と話した。年に6回は草刈りするという。今まで年3度と聞いていたので、またがっかり。

刈られる間をくぐり抜けてなんとか成長する個体もある。でも、産卵から蛹化まで約1ヶ月を無事に過ごせる個体はわずかだろう。

田を離れた、農道脇の草むらのヒメシロチョウの食草ツルフジバカマは今きれいな紫の花を付けている。

その草原では草丈は膝ほどで花は当然咲かない、だから柔らかい新芽にわずかな3化の個体が卵を産んでいた。

と言うことは、春から1度は刈られていたのだろう。

3回も繰り返す命なのに・・・、現実は厳しい。 つまり、この狭い空間で、一斉に地域全体が除草されることが致命的なのだと思う。

詳しく除草の時期、計画を聞いてこようと思っている。

また、草刈りもなんとか適切な時間差が必要だろう。そして、刈らないで済む場所へのツルフジバカマの移植もいいかもしれない。

これから時間差で羽化する3化個体がなんとか食草を見つけ、産卵し、その卵が無事に成長することを願っている。

そして、蛹が雪の季節を無事切り抜けて来春再開できることを心から願っている。

この狭い空間で生き延びているヒメシロチョウが、今危機的状況と思う。

正に、除草が原因で、ヒメシロチョウの生き残りが決まるのだ。日々彼女らの行方が心配で眠れない。

 3化のヒメシロチョウ  残るツルフジバカマ


庭のホシミスジ

2014-08-20 | 環境問題

 

もう数十年来、毎年ホシミスジが姿を見せてくれる。今年の初見は6/16だった。
でも、今年は未だ数回見かけただけだったが、今朝、新鮮な個体が舞ってきた。

 

遡ってブログで見てみた。初見日は、2013年は6/16、2012年は6/14、2011年は6/22、2010年は6/28、・・・・2006年は6/25とあった。
そう言えば、昔8月に庭で羽化を観察したことがあった。2009年8/28羽化の写真があった。また、2005.7/15に産卵している写真も残っている。

                                                    産卵 2005.7.15                                            羽化 2009.8.29

 蛹化     

図鑑を見ると、ホシミスジは年1回の発生で、西日本各地では年2回と書かれているが、会津若松では2回と言うことになる。
ホシミスジの食草は、シモツケ、ユキヤナギ、コデマリなどで、我が家の庭には十分すぎるほどある。何とか絶えずに生き延びて欲しいと思っている。
ちなみに、梅の木の周りにオオミスジが旋回していたが、2006年を最後に見かけなくなってしまった。

  ジャコウアゲハがずいぶん大きくなった。ウマノスズクサもヤマボウシの枝に絡みついて2回まで伸びている。数えたら5匹が終令だ。花もおいしそうに食べていた。
 しおれかけた部分を見つけた。茎をたどると、案の定低い位置の茎が食べられて切断されていた。 よくあることだが、お馬鹿さんだ。

      


小さな虫たち 守りたい思い

2014-08-19 | 環境問題

 

 会津地方の里山には、全国的にその絶滅が心配されているチョウやトンボが細々と生息している。

 毎年、その季節には彼女たちとの再会を念じながら里山を歩いている。

 ときどきの新聞投稿で貴重な虫たちのことや自然環境の悪化の現状を訴えているが、所詮間接的な意識は薄れて、具体的な環境保全にはつながらないと思っている。

 頼むは行政だと、何年にもわたり関係する役所へ具体的な要望をしているが、個人のちっぽけな思いは空しく、いまだに改善されない。

 昨今、自然と触れ合いを求めて活動をする人も多く、自然観光地は溢れている。

 でもその多くは休日のひとときの癒しで、自然環境への関心は日々の生活の中に薄れていくだろう。

 確かに、営々と生き続けてきた小さな虫たちのいのちがどうなろうと、切実に感じられないかもしれないが、私には愛おしくてならない。

 なんとか彼女たちを守りたい気持ちで里山を巡っている。        

 

お盆の入りの13日に、ヒメシロチョウの第3化を確認した。

その後、数日前の夕方、様子を見に行ってみたが、全く姿を見なかった。

しばらく雨降りが続き、しかも時間帯もあろうかと出かけた。いつもの田の畦を離れた草原でひ弱に飛ぶヒメシロチョウを見ることが出来た。

ヒメシロチョウは草刈りとの勝負と思う。農家の人は、稲の害虫退治に年3回の草刈りは欠かせないという。

水田を離れた草原に生き残りが期待できる。

ヒメシロチョウが膝上の草むらにツルフジバカマを求めて舞っていた。その根気と入ったらたいしたものだ。疲れを知らないように、休まず飛び続けていた。

刈り取られずに残ったツルフジバカマは、今濃い紫の花が満開だ。何度も刈り取られた土手のツルフジバカマは花を咲かせる暇がない。

   

  

草むらを歩くと、新鮮なオツネントンボやオオアオイトトンボが見られた。

                    オオアオイトトンボ                        マイコアカネ♂                                オツネントンボ

                                                                                   アオイトトンボ                                   まだアマゴイルリトンボが                              オオイトトンボか?

今日は久々に真夏日30度を超えた。エアコンフル回転ですずチャンが眠っている。