水が入った田の土手をヒメシロチョウが静かに舞っていた。ベニシジミ、ツバメシジミも現れた。
ツマキチョウ♂ ♀
ベニシジミ
ツバメシジミ♂ ルリシジミ♀
根の乾かないシオヤトンボが倒木に日向ぼっこ、不順な天候が続いているが、ようやくいつもの初夏のさわやかさを感じた。
山あいに田が伸びているが、どの田の土手も伸び始めていた草がきれいに刈り取られていた。一番奥の田の土手だけが、緑が残っていた。
白いか弱いチョウたちが、伸び始めた種々の草の間にツルフジバカマを見つけて産卵していた。ひっそりした日曜日の里山はヒメシロチョウの楽園だ。
食草のツルフジバカマ 産卵時は、腹部を直角に曲げている。
ヒメシロチョウのデート 結構長い時間、ストローを伸ばし、触角を触れ合って仲良くしている。残念ながら交尾は確認できなかった。
エゾタンポポに吸蜜するヒメシロチョウ、こんな光景がいつまでも続いて欲しい。
ヒメシロチョウは弱々しく飛ぶがなかなか止まってくれない。自動でピントを合わせて連写する。下手な鉄砲だが、数枚なんとかみれるものがあった。
準絶滅危惧種に指定されているヒメシロチョウ、年々少なくなっているような気がする。
この土手の食草も何時刈られるのか、おそらく成虫まで育つことはないだろう。切ない気持ちでいっぱいだ。
いつか山の公園の除草で気づいたことを訴えた。
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一面の芝生のわきに小川が流れ、境の土手には豊かな秋の草むらがあった。そこで紫色のきれいな花をつけるツルフジバカマにヒメシロチョウがさかんに食草の産卵していた。 翌日行くと、その草むらが跡形もなく除草されいた。ヒメシロチョウは、県の準絶滅危惧種に指定され、ほんのわずかな空間で生き長らえてきたチョウだ。落胆し言葉もなかった。
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結局、翌年からヒメシロチョウを見ることはなかった。
行動範囲が狭い種である。食草が刈られてなくなれば、種は絶滅する。
土手の草刈りがとてもさかんだが、特に田の稲に影響の少ない土手の草は遺すようにできないのだろうか。
ジャコウアゲハも同じ運命にある。しょっちゅう土手の草刈りが行われ、ウマノスズクサは育つ閑がない。運の良いジャコウアゲハチョウがなんとか種を遺している現状だ。
我が家にも数本のウマノスズクサがあったが、訪れるジャコウアゲハが結構産卵していく。
かわいい幼虫も令を重ねると食欲旺盛、伸びた蔓にもお構いなし、途中の太い茎を食いちぎってしまう。今年はまだ芽が出ていないので心配している。
町中の庭でウマノスズクサを殖やせないものだろうか。
こうした議論は、生態系のバランスを考えると賛否あろうが、営々と生き延びてきたチョウを守りたい一心だ。
隣の宮城や栃木でも絶滅のおそれがあるようだ。なんとかこの弱々しいチョウを守ってやりたいと思っている。 (2012.5.13)