【40数年ぶりのオオルリシジミ】
義姉の病気見舞いに信州へ向かった。
松本まで約350km、運転の嫌いな小生にはきついが、いざ出発すれば4~5時間の旅程だ。
高速道を降りると懐かしい妻の実家の山々が見えた。道すがら白い雲が流れ、山々の緑がさわやかに目に写った。
遙かに雪をいただく常念岳が見えた。懐かしさが込み上げてきた。
妙高の山々 常念岳 横通岳
義姉は先月初めに入院し、一週間前に信大病院へ転院していた。
2年ぶりに会った義姉は少し痩せたが比較的元気で安心した。
信大病院 病室から松本城
見舞いの合間を見て、どうしても寄りたかった「アルプスあづみの公園」へ行った。
ここでは、1991年に絶滅したオオルリシジミの復活に成功していた。
かつてオオルリシジミは、小生の学生時代には信大の裏の常田池にも普通に飛んでいた。
池の端での野外授業は小山教授の「生物学」、講義を聴いた側らで オオルリシジミがクララの回りを飛んでいた。40年ぶりに同じような光景に出会った。
丁度この季節に懐かしいオオルリシジミと再会ができた。
膨らんできたクララのつぼみに産卵を繰り返していた。嬉しかった。丁度交尾や産卵の姿を撮影することが出来た。
あづみの公園の池
セグロセキレイ クララ 交尾
クララの横に復活の看板
ミヤマシジミ♀にも会えた
モンキチョウの戯れ 左が♂
オキナグサの綿毛
あれからオオルリシジミは希少なチョウになった。一時は絶滅も心配されたが安曇野市での取り組みで復活した。
東御市の取り組みも聞いていた。東御市でも1990年代に絶滅したと言い、2002年に地元で守る会が設立され、飼育した蛹を放しクララの保全に努めたという。
そして2005年以降は自然発生してほぼ定着した。
安曇野市では市民と行政と地元の信州大学が連携して復活に取り組み、数年前から自然発生しているという。
その前段の取り組みは、数年前に購入した「蝶からのメッセージ」を読んで理解し、クララを巡る天敵や野焼きの問題を知った。
オオルリシジミの生態はほぼ解明されている。3,4令幼虫にはアリがつきまとい幼虫の密栓からの蜜に誘引され幼虫をガードする。蛹化が近づくとクララを降りて根元で蛹化する。
今、会津若松周辺のヒメシロチョウを心配しているが、その保全の参考になる取り組みと思っている。
二晩、妻の実家にお世話になった。姪や甥ももう大学生となり家を離れていて、静かな穏やかなときが流れていた。
色とりどりのシャクヤクやバラの咲く庭に降りると、数十年も前、夏休みの度にお邪魔した子どもたちの遊ぶ姿が、そして亡き両親や皆が若かったころが浮かんできた。
キセキレイ
実家に贈った麗しの磐梯 義姉宅に贈った常念
お墓にお参り ツクバネウツギ
居間の壁の短冊に「健康は富に優る」とあった。あらためて、一年一年と齢を重ねる兄姉たちを思い、互いの健やかな日々を願わざるを得なかった。
義姉の一日も早い回復を願いながらふるさとを後にした。