エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

眠っていたCD 『信州ゆかりの日本の名曲』

2007-02-28 | 文芸


 最近、眠っていたCDを繰り返し聴いている。CD「信州ゆかりの日本の名歌を訪ねて」である。5年前に野沢温泉の「おぼろ月夜の館」《斑山文庫》で買い求めた物だった。(*)【企画製作・発売元:信州ゆかりの日本の名歌普及会】

 いくつも童謡のCDがあるが、ピアノやオカリナ演奏も素晴らしいが、メロディだけでなく歌詞があっての童謡だ。孫に童謡を聴かせたいと思いこのCDをかけてみた。童謡から始まり、信州にゆかりの名曲が入っていた。忘れていたCDにまた触れることとなり喜び、こころ癒されている。
「早春賦」「どこかで春が」「春が来た」「春の小川」「千曲川旅情の詩」・・・・と続き、
大好きな「高原の旅愁」「あざみの歌」・・・「雪の降る町を」など、終わりには「信濃の国」「故郷」と全26曲が収められている。
 よき時代の、名曲の数々に触れるとき、涙が流れるほどの懐かしさ、美しい情景が浮かんできた。 つい声に出して歌ってしまった。

このCDの解説書には、『このCDは世代を超えて21世紀にも確実に歌い継がれ、心の糧・心の癒しとなって、私たちの明日へ向けて”夢と希望と愛のロマン”を呼び覚まし、生きる勇気を与えてくれることでしょう。』とある。また、そのあとがきには『最近は教科書も改編が進み、9割が外国の曲だ』とある。確かに、ここにある名曲の数々が「時代に合わない」と切り捨てられてはならないと痛感する。
しばらく眠っていたこのCDで名曲に心癒されていたいと思っている。

(*)以下はこのCDを求めた折りの信州旅行の思い出である。
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初めて野沢菜の収穫を体験」 
 義母を見舞いに、晩秋の信州を訪ねた。
その折、毎年宅急便で送っていただく野沢菜を収穫した。すでに霜が降り、多少収穫時期の遅れた小春日の畑で、野沢菜の紅い蕪を包丁で切った。やがていただくみずみずしい葉をワラで束ねた。すべてが新鮮な初めての体験であった。もう三十年来、野沢菜漬けは信州から遠く離れた我が家でも秋の風物詩となっていた。
 わずか二晩だったが、思いのほかしっかりした母の姿に接し安心できた。すでに水が上がったお葉漬けも美味しくご馳走になった。
 帰路、思い立って野沢菜の里、野沢温泉村に立ち寄ってみた。そこには確かに清清しい豊かな北信州の風土があった。また思いがけずに「おぼろ月夜の館」を見学できたことが嬉しかった。あの唱歌「故郷」の作詞者である高野辰之の業績や人間像に触れ、あらためて自分の知る世界がわずかなことに気づき、生涯学ぶことの意義を思った。
「山は青きふるさと 水は清きふるさと」と口ずさむと、妻の故郷の山河と車椅子の母の姿とが重なり切ない思いが込み上げてきた。  (2002.12)
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