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亡くなった叔父からもらった新しい下駄を下ろした。しばらく下駄を履かなかったので懐かしい感覚がとても心地よかった。
下駄の裏には特選会津桐という焼き印が押してあり、屋号のシールの局番のない電話番号から、かなり昔のもののようだった。
中学、高校の頃はよく下駄を履いていた記憶がある。桐下駄はとにかく軽く、履き心地がいい。素足には感触がよく、背も少し高くなり見えるものも爽やかな気分になった。
学生のころ、竹刀を抱え朴歯下駄を履いてカランコロンと音を立てて道場に通ったことが思い出された。
雨の中を、傘をさして、素足に下駄で犬の散歩に出たが、サンダルやスニーカーよりも塩梅がよかった。また、これからの季節、浴衣にはどうしても下駄が似合う。 そういえば、母の縫ってくれた浴衣は長い間タンスの奥にしまいっぱなしだ。折角桐下駄を下ろしたから、浴衣も出してみたいと思っている。
「坊ちゃん」にそういう喧嘩のシーンがあったですよね。若者だけでなく、今下駄を履く人はほとんど無くなりました。和服、下駄、扇子・・・日本文化はどんどん薄められ塗り替えられていきます。田園風景だってずいぶん変わりました。そうそう風呂敷を見直そうなんて言うニュースも、どうでしょう?
蚊取り線香、うちわ、スズムシ・・・クーラー、スプレー、雑音の夏よりも風情がありますよ。良さを再認識したいものです。
お孫さん何人ですか。次代の幼子に幸多かれと祈ります。お宮参り。伝統、風習も遺したい文化ですね。