午前4時、カーテンを開け遥か磐梯山を望む。
会津盆地の山の端、低くたなびく雲の上に黒いシルエットが聳える。
梅雨明けが遅く、しばらく見えなかった雄姿が美しすぎる夜明けだ。
やがて、箒で掃いたような雲がうっすらあかね色に染まり、僅かにかけらのような青空が見える。
明けきれない闇に、小鳥のさえずりに混って、一瞬今年初めてのヒグラシの声が響いた。
窓からのひんやりした空気を吸い込み、今日の1日が始まる。
この朝ぼらけの感動に、寮歌の一節が浮かんだ。
あれから半世紀、今朝も老いた心で故郷の黎明の山を見つめながらしばし時を忘れ、口ずさんだ。
「嗚呼黎明の 空の色 牧場の草も 雫して・・・」、かつて声高らかに歌った青春の歌は、今なお歌われているのだろうか。
「黎明」、なんと爽やかな言葉の響きだろうか。
(2020.7.29付 新聞掲載の駄文)
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(参照) 拙ブログ 「黎明の空の色」(2009-06-09) https://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/1e52467b7a885e3da472ad2b87677aa1
思えば憧れてたどり着いた信濃路に、大いなる自然の中に、我が青春は流れた。
今、回想する遠い昔のほのかな思い出、よく学び、遊んだ。
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もうすべてが半世紀も前の思い出です。
今、なんとか元気で里山を歩ける幸せを思っています。
昨日からひどい雨でした。でも、これで梅雨も明けとなりそうです。猛暑にならなければと思いながら。
有り難うございます。