エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

会津本郷焼 宗像窯

2007-03-08 | 文芸
         《愛用の焼き物》

 福島民友新聞で、会津本郷焼・宗像窯の当主宗像亮一氏の「私の半生」の連載が始まった。毎日いろいろな思いで楽しみに読んでいる。
 宗像先生には何度か御一緒させて頂く機会があったが、いつも謙虚なお姿に敬服していた。
 連載の8回(3/7付け)には、あの民芸運動の柳宗悦氏が、宗像窯を訪れた時の様子が書かれてあった。やはり全国を行脚した一行が立ち寄たこと、そして浜田庄司に励まされた縁も知ることができた。

宗像窯のHPを拝見した。そこには最近8代目を継いだ息子さんの宗像利治氏の焼き物論が書かれていた。彼は、食文化との関わりの中で、「器を手に持つのが和食器の特徴で、触感を重視しすることが大切」と言っておられた。また、「現代の生活にふさわしい作品を作る」と挨拶されていた。全くその通りと思った。

 とかく工芸作品として芸術領域での鑑賞が浮かぶが、実は焼き物こそ民芸運動の言うとおり、使用しての価値が言われるべきものと思っている。雑器という表現があるが、用の美というものが焼き物本来の価値であると思う。

 我が家では、浜田庄司風の益子焼きの湯飲みや織部焼のぐい呑みと共に、本郷焼では宗像焼の角皿、酔月焼の醤油射しを毎日使っている。また、春には年一回、宗像窯のニシン鉢も使う。落ち着いた、重みのある宗像窯の作品が好きだ。
 
 今ではたった一基になってしまった宗像の登り窯を、本郷はもとより、日本文化の柱にするような新しい伝統を築いていって欲しいと思っている。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿