エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

「 ひとりだ でも淋しくはない」

2014-01-03 | 日々の生活

 

 書斎の窓を開けると氷柱が下がっていた。

  朝食は三日とろろ、確かに年末からのごちそうに胃腸を休める意味もあるのか、おいしくいただいた。

 箱根駅伝のTV中継を見ながら、三日とろろから円谷幸吉を思い出してしまった。

 「父上様、母上様、三日とろろ美味しうございました」どんなにか苦しかっただろうか。切ない遺書だ。

 東京オリンピックのマラソン、陸上競技場でのヒートリーとの争いが目に浮かんでき

遺書の全文(原文ママ:wikipediaより)

父上様母上様 三日とろろ美味しうございました。干し柿 もちも美味しうございました。
敏雄兄姉上様 おすし美味しうございました。
勝美兄姉上様 ブドウ酒 リンゴ美味しうございました。
巌兄姉上様 しそめし 南ばんづけ美味しうございました。
喜久造兄姉上様 ブドウ液 養命酒美味しうございました。又いつも洗濯ありがとうございました。
幸造兄姉上様 往復車に便乗さして戴き有難とうございました。モンゴいか美味しうございました。
正男兄姉上様お気を煩わして大変申し訳ありませんでした。
幸雄君、秀雄君、幹雄君、敏子ちゃん、ひで子ちゃん、
良介君、敬久君、みよ子ちゃん、ゆき江ちゃん、
光江ちゃん、彰君、芳幸君、恵子ちゃん、
幸栄君、裕ちゃん、キーちゃん、正嗣君、
立派な人になってください。
父上様母上様 幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません。
何卒 お許し下さい。
気が休まる事なく御苦労、御心配をお掛け致し申し訳ありません。
幸吉は父母上様の側で暮しとうございました。

暮れに加島祥造のテレビを見た。最大の節目に、また「生き方」を考えさせられている。

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昨夜、普段寝る時間にテレビを見た。番組欄に加島祥造を見つけたからだ。
ETV特集10/19の再放送だった。

 加島祥造氏と姜尚中氏の対談とあった。
 番組はトークイベント風景から始まった。「愛とは?」の質問に・・・「生命力」と答えていた。

老詩人・加島祥造さんは90歳になった。ひげを蓄えた顔がいい。
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【以下:視聴しながらのメモ】
 ・伊那谷で自由を楽しむ人生、老詩人の日常を映した番組、いろいろ知った。
 ・横浜から伊那へ移って25年。
 ・息苦しさをかんじる。もうひとりの自分、「はじめの自分」の声を聞く。
 ・60歳を過ぎて家族を捨て、大学教授の職を捨て社会から逃げ出した。
 ・自由が欲しかった。自由への願望だ。
 ・伊那谷の大自然が心に焼き付いた。この自然に触れ「はじめの自分」を受け入れて安らぐ・・・一生涯自分とつながる自分
 ・独特な墨彩画を描く
 ・求めない、今の自分を受け入れる。 求めない すると心が静かになる
 ・時折、トークイベントで都会へいく。  「人生の失敗について」
 ・姜尚中さんが伊那谷の加島さんを訪ねる。二人はかつて対談したことがあった。
 ・還暦を迎えた姜尚中さんは語る。 「生の充実を求めたい。」
 ・社会的なプラスを受けなくて良い。生きる人間 here now
 ・都会には住めなくなった。
 ・ここ1年ほど、加島さんは心の奥に喪失感を感じていた。
      →その日語りたりなかったことを姜尚中さんへ手紙に書く。
  「母の死,AMさんの死について綴った。観音像の前で跪くAMさんとの出会い。
  AMさんといると「はじめの自分」に会える気がした。10年ほど親しくしていた
  AMさんが亡くなる.・・・・・・その慟哭を語った。」
 ・姜尚中さんからの返信  息子の死を記した。我がことのように受け止めた。
  小説のテーマ・・・ 生きることに悩む息子を書く。
  ある日、息子のパソコンを開いた。そこには「生きとし生けるもの 末永く元気で」 とあった。その意味を考えた。
  彼は「社会を否定すること」でなく、「自分を否定すること」を選んだ。
  姜さんは、自分の生き方が正しかったのか考えた。定年前に東大教授を辞める決断をし、別の生き方を選んだ。人生は、幸せを求めるだけでないことに気づいたと語る。
  答えは分からないが息子に向き合っていきたいと。
 ・雪をいただく南アルプスの山並み。加島の自宅には「晩晴館」と看板がかかっている。
 ・AMさんの心
 ・その後、姜さんは加島さんと再会。
  加島:小説「心」を読んだ。「死んだ人は、生きている人を励ましてくれる」
 ・大きな悲しみを受け止めた2人。 息子さん、AMさん、
 ・ ”alone but not lonely
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●このテレビを視聴してもう一度「求めない」を確認した。
●伊那谷で、お茶を飲みながら雪の山並みを眺める老詩人の生き方を思った。
●社会のしがらみを切って自分の思うままの生活をしている。
     ・・・いまの自分には出来ない生き方だ。わがまますぎると思った。
●息子さんを亡くした姜尚中さん,AMさんを失った加島さんの悲しみを聞き
  ・・・・・・・我が愛犬ラックを思っている。
●視聴して「生き方」を考えている。
●本棚に何冊かの加島の著作がある。 「求めない」「伊那谷の老子」「タオ-老子 」 ・・・・ もう一度読み返してみたいと思っている。
● ときどき加島に触れてきた。拙ブログで検索すると、たくさんあった。
  http://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/s/%B2%C3%C5%E7%BE%CD%C2%A4
  もう一度、かつての心境を辿ってみたくなった。                       (2013.12.31)

 


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4 コメント

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アスリートの苦しみ (ヒメオオ)
2014-01-03 20:12:39
明けましておめでとうございます。
某企業グループの競技大会に参加した
だけでもプレッシャーが凄いのに、
日の丸を背負ったオリンピックの緊張感
はもの凄いものと思います。
今年もよろしくお願いいたします。
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ヒメオオさん (Unknown)
2014-01-04 19:36:33
おめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
ヒメオオさんはスポーツをおやりですか。
円谷選手の遺書全文を追加しました。
返信する
弓道7年 (ヒメオオ)
2014-01-05 15:32:05
私は、運動神経は殆どないので子供の
頃から今でもスポーツ競技はことごとく
ダメでした。
唯一「弓道」だけはむいていたようで、
7年間練習して、2~3度何度か九州から
東京に出かけて大会に参加させてもらい
ました。
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そうでしたか。 (Unknown)
2014-01-05 21:16:55
 小生、祖父が剣道の全国大会で優勝していて、少しやりまいした。3段までとり、若い頃のわずかな鍛えが今を保っているのかと思います。
 これからやれることは、せいぜい里山を歩くことくらいでしょう。
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