エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

舗装なしの悪路楽しい散歩道

2006-07-20 | 日々の生活
               《路傍の草々》

 市道から家までの100mほどの道路は、市内一のいまどき珍しい土の悪路である。でも私にとっては実に楽しい散歩道だ。愛犬と日に何度も、見逃しそうな足元の草々との対話を楽しんでいる。
 牧野富太郎は、自然に親しむにはまず友達になり相手をよく知れと言った。顔見知りにはなってもなかなか名前が分からないが、何回か話しをしていると自己紹介してくれるから不思議だ。道の両側に生える植物とはいつしか友達となった。
 背が伸びたヒメジョオン、満開のタチアオイが道に倒れかかり、すでにカラスノエンドウの黒いサヤは弾けている。秋の草、カゼグサやエノコログサもいつしか穂を付け風に揺れている。スイバは所々立ち枯れ、カナムグラ、ウマノスズクサが勢いよくつるを伸ばしている。ほどなく辺り一面に香りをふりまくクズもかなり伸びてきた。道の真ん中には、オヒシバやオオバコがしっかり根を張っている。
 これから散歩の行き帰りに、対話のなくなる雪の季節まで、これらの草々それぞれの生きざまを見つめていきたい。かんかん照りの夏に、色ずく秋に。

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2 コメント

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Unknown (マーヤン)
2006-07-20 16:22:43
羨ましい限りです。草花と対話出来るなんて、心の深さを感じ取れます。御専門でしょうが良く植物の名前を御存知なのに何時も感銘の至りです。
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Unknown (会津マッチャン)
2006-07-20 20:04:43
 何時かの貴ブログ「良書に逢う」にコメンさせていただきました。久しぶりにいい本に出逢いました。有難うございます。

 私の専門は「高分子化学」で、植物は、趣味のチョウの食草から、興味が広がりました。例えば、ウマノスズクサはジャコウアゲハ、カナムグラはキタテハの食草です。信州への進学は、チョウの大先生が信州に居られたからでした。

 
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