都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
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今や国民病とまでいわれる花粉症です。しかし、このアレルギー症、戦前までは日本に存在しなかったのです。
戦後、どっと日本に流入してきたアメリカ製品。製品とともにやってきたのがアメリカ杉です。戦争中、日本は国内の森林を大量に伐採しました。その森林を1日も早くもとの姿に戻す必要があったのです。そこで、目をつけられたのが、日本の杉より成長が早いアメリカ杉だったのです。成長が早いということは早くお金になります。
アメリカ‐すぎ【アメリカ杉】
ヒノキ科の常緑高木、アメリカネズコの別名。北アメリカ西海岸地方に産し、建築・土木用材として輸入。米杉(べいすぎ)。
大辞泉
ところが、このアメリカ杉、アメリカ大陸の過酷な自然の中で生まれたため日本の環境は恵まれすぎていました。
子孫繁栄のために、風が吹くと、大量の花粉を撒き散らしたのです。
かくして、アメリカ杉は日本に花粉症をもたらしたというわけです。
環境が清潔すぎると、アレルギー疾患が増えるという衛生仮説があります。近年、ドイツを中心とする医科学チームの研究により乳幼児期におけるエンドトキシン(内毒素)の曝露量(ばくろりょう)が、以後の花粉症やぜんそくの発症に密接に関係していることが明らかにされたそうです。
ない‐どくそ【内毒素】(endotoxin)
チフス菌・サルモネラ菌などの菌体の細胞壁に存在する毒素。たんぱく質・多糖類・脂質などからなり、菌体が破壊されると遊離して、毛細血管透過性を増大させ、ショックや発熱などをひきおこす。毒性は外毒素に比べると弱いが、熱に強い。エンドトキシン。
大辞泉
アレルギーとは免疫反応が自分の体にマイナスに働いてしまう病気です。
私たちの体には、体にとって異物であるもの(抗原またはアレルゲン)が体内に入った時、それに対抗する物質(抗体)を作って、抗原を排除するシステムが存在します。
このシステムの反応を抗原抗体反応とか免疫反応といいます。これらの反応は、抗原に対して適切に機能すれば、「生体防御」ですが、しかし、過剰に反応し、生体防御の範囲を逸脱した場合、アレルギーとなり過剰な反応を示すのです。
多くの人が異常な反応を示さない物質に対し、アレルギー体質の人は過剰に異常な症状や反応を示してしまう特別な体質なのです。
アメリカ杉と清潔すぎる環境が、日本にスギ花粉アレルギー(花粉症)をもたらしたことは間違いなさそうです。
アメリカ生まれのティッシュペーパーの箱は、もともと花粉症の人のために開発された商品だったそうです。
したっけ。