都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
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色(いろ)の白いは七難(しちなん)隠す
肌の色が白ければ、少しくらいの欠点は隠れて、美しく見える。
大辞泉
では、「七難」とは何でしょう。もともと仏教用語で「七種類の災難」という意味だそうです。
これは宗派により異なるようです。
例えば「法華経」で次のようになります。
② 水難:水による災難。洪水・溺死(できし)・難船など。水禍。
③ 羅刹(らせつ)難:人を食うといわれる悪鬼に会う。
④ 刀杖難:刀と杖。また、刀剣類による難。
⑤ 鬼難:隠れて見えないもの。鬼による難。
⑥ 枷鎖(かさ)難:我見(がけん)など無形の束縛。
⑦ 怨賊(おんぞく)難:人の命を害し、財をうばう者。盗賊。強盗。
また薬師経には次のようにあります。
① 人衆疾疫難(にんしゅしつえきなん):人々が伝染病などの流行に悩まされる難。
② 他国侵逼難(たこくしんぴつなん):他国から侵略される難。
③ 自界叛逆難(じかいほんぎゃくなん):自国内で反逆、同士打ちが起こる難。
④ 星宿変怪難(せいしゅくへんげなん):星宿の変怪する難。
⑤ 日月薄蝕難(にちがつはくしょくなん):太陽や月の光が薄れたり欠けたりする難。
⑥ 非時風雨難(ひじふううなん):時期はずれのときに激しい風雨のある難。
⑦ 過時不雨難(かじふうなん):降るべき時節に雨の降らない難。
「仁王経」では、
① 日月失度難:まず太陽や月の運行が通常と異なり、寒暑の時節が逆になり、あるいは太陽の色が赤色になり、黒色になり、あるいは一度に太陽が二つ以上見えるようになり、あるいは日蝕で太陽も光がなくなったり、太陽の周囲に環状の暈(かさ)が何重にも現たりする難。
② 星宿失度難:火星、水星、風星、北斗(北斗七星。国の兵乱を予告するとされる)、五鎮の大星(木星・火星・金星・水星・土星)、一切の国主星、三公星(三つの星、天子を補佐する三大臣に擬した)、百官星等々の多くの星が、それぞれ異常な現象を起こす難。
③ 災火難:大火が国を焼き、万民を焼き尽くすであろう。あるいは鬼火、竜火、天火、山神火、人火、樹木火、賊火が起こるであろう。このような怪現象難。
④ 雨水難:大洪水が起きて、民衆を押し流し、時節が逆転して、冬に多くの雨が降り、夏に多くの雪が降る。冬に雷が鳴り、夏の六月に氷や霜や雹が降り、赤水、黒水、青水を降らし、また土や石を山ほど降らし、砂や礫や石を降らす。河は流れが逆になり、山を浮かべ、石を流すほどの大洪水となる。このような異変。
⑤ 悪風難:大風が起こって万民を吹き殺し、国土、山河、樹木が一挙に滅び没する。時節はずれの大風、黒風、赤風、青風、天風、地風、火風、水風が吹きまくるであろう。このような難。
⑥ 亢陽(こうよう)難:天地、国土が大旱魃のため乾ききり、天地も国土も猛烈に暑く、大気は燃え上がらんばかりで、多くの草はみな枯れて、五穀は実らず、土地は焼けただれて民衆は滅尽するであろう。このような異変。
⑦ 悪賊難:四方の他国の賊が来て国を侵略し、国内・国外の賊が出没して、火賊、水賊、風賊、鬼賊があって民衆は荒れて乱れ、戦乱の時代になるであろう。このような異変。
ただ「色の白いは七難かくす」という場合、「七」は「たくさん」、「難」は上記のような大袈裟な災難でないことは明白です。つまり、「欠点」の意味で、「七難」は「たくさんの欠点」となります。
「七」とは、「七転八倒」や「七面倒くさい」などの時に使われる「多く」と言う意味の「七」です。
「七難」の欠点については具体的に決まっているわけではありません。さしずめ、性格、健康、知恵、教養、躾、器量、声・・等、本人(女性)に固有の事柄に対して、多少劣っていても、評価基準が甘くなると言うことでしょう。
それほど、昔は色の白い女性が少なかったということでしょう。家の中に閉じこもって生活はできませんし、日焼け止めクリームもありませんでしたから・・・。
「髪(かみ)の長きは七難(しちなん)隠す」という言葉もあります。
女性の長い髪は、他の多くの欠点を隠す。昔は髪の長いことが美女の条件であったところからいう言葉です。
したっけ。