年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

日清戦争時の食品業界2

2007年06月21日 | 福神漬
日清戦争時の食品業界2
明治28年2月の田中正造の国会質問『牛肉缶詰買い上げに関する件』に対しての政府答弁は日清戦争当時の食品業界が良くわかる。田中正造全集第7巻513頁
『軍隊用牛肉缶詰買上等に関する質問に対する答弁書』 明治28年3月2日

第二 陸軍省が缶詰の買い上げを為すにはこれを従来の経験のある営業者から求めず専ら新設の業者から求めたことは無い。その供給者の中には間々新設創業の者、廃業再興の者無きにしも非ずといえども、これらの業者は皆適当な技術者を有する者にして,専ら新設の業者から購入するのでなく,資力・技術力の適否を問わず購入することは断じて無い。
 また質問者(田中正造)は製靴商・タバコ商が缶詰商となって缶詰を製造するごときといえども,陸軍省の指定した供給者はいろいろな業を営むといえど必ず適当な缶詰製造技術者を有し,製造の指揮・監督に欠けるところは一つもない。往々缶詰業のごときは資本家にして技術者を兼ねる者は稀で資本家は技術者を雇用するか共同経営となる者である。陸軍省は常に資本と技術の欠けることなきを調査していて、この点において資本家の専業者か兼業者かを問うことは無い。

 新規参入の業者がふえて、不正行為のウワサが出ていた。この年(明治28年)5月に陸軍省経理局員は広島への出張の途中自殺している。
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