明治28年2月10日都新聞
第八期帝国議会 衆院(2月9日)
改進党の栃木鎮台田中正造は開会第一に壇上に現れて虎の吼ゆる如きの大声を放ちて缶詰買い上げに関して政府に質問の要旨を述べた。例の木綿の黒紋付を着た大男の壇上に現れたのは(今国会に)始めてである。
途中略
征清の軍隊が凱旋の暁には(不正な行為をした)姦商の首が飛ぶかも知れないと罵り、原稿用紙を巻き演壇を叩きて、満面を赤くして意に任せて怒鳴ったのは田正君(田中正造)近来の痛快なる演説なりき。
挙国一致でなければならない状況で日清戦争の勝利の目途も見え、世間でささやかれている軍用缶詰購入に関しての不正行為を糾弾していた。しかし、この時点では「石の缶詰」の話は出ていない。田中の演説では軍人は馬を尊ぶので消えた2600頭余の馬肉を軍人に食べさせたのは許さないと締めくくっている。この後政府の答弁が出てくる。
第八期帝国議会 衆院(2月9日)
改進党の栃木鎮台田中正造は開会第一に壇上に現れて虎の吼ゆる如きの大声を放ちて缶詰買い上げに関して政府に質問の要旨を述べた。例の木綿の黒紋付を着た大男の壇上に現れたのは(今国会に)始めてである。
途中略
征清の軍隊が凱旋の暁には(不正な行為をした)姦商の首が飛ぶかも知れないと罵り、原稿用紙を巻き演壇を叩きて、満面を赤くして意に任せて怒鳴ったのは田正君(田中正造)近来の痛快なる演説なりき。
挙国一致でなければならない状況で日清戦争の勝利の目途も見え、世間でささやかれている軍用缶詰購入に関しての不正行為を糾弾していた。しかし、この時点では「石の缶詰」の話は出ていない。田中の演説では軍人は馬を尊ぶので消えた2600頭余の馬肉を軍人に食べさせたのは許さないと締めくくっている。この後政府の答弁が出てくる。