年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

佐倉義民傳を観に行く 2

2010年06月11日 | 宅老のグチ
このコクーン歌舞伎では新しい試みを行っているようで10日夕刊の日本経済新聞に劇評が載っていた。それによると佐倉義民伝は全体の構成が厳密に演じると矛盾した筋となるという。短い上演時間で観客に感動を与えるにはかなりの困難を伴うという。
 今回の筋書きでも印旛村の渡し場の設定でもその前段階から将軍直訴にいたる過程が不自然であった。また自由民権運動を弾圧する警官隊が出てきたが、明治の事情を知っていないと意味が通じないだろう。これはあらかじめビラを読んでいないと解らないだろう。今の日本の教育の最大の欠点は明治以後の歴史を教えない・重視しない教育となっている。それは立場によって論争することになるので態度で表明することを先送りしていることから始まる。
 明治の10年代に自由民権運動が盛んになって、ほぼ同時期に松方デフレで農民層の貧富の格差が広がった。このような時代に佐倉義民伝が観客に支持されたのである。それは薩長政権に対しての江戸から東京に住んでいた人達の官僚に対しての密かな反抗だった。そして全国的に佐倉義民伝の上演が進んだ。
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