映像で見た方もあるだろうが昨年の初せりでマグロが高価格でせり落とされた。築地市場内のせり場から演出もあるが江戸時代からあった人力の小車にむき出しで生マグロが築地場外市場の寿司屋へ運び出された。これは通常の築地市場の運搬方法である。ところが場内の衛生を監督指導する立場の人達の目には好ましいものと思っていないようだ。日ごろの市場内の講習会では常々日本の食の安心安全を司るという立場から、温度管理から衛生意識を高めるように指導している。
行政の過剰な衛生意識は時々我々を悩ませる。食の衛生管理ミスに事故が発生すると過剰反応を示す。最近では焼肉屋さんで提供された生ヤッケ、北海道で起きた白菜浅漬からでたO157の事件などがある。行政の衛生管理者の意向では白菜を殺菌洗浄しろという。塩素系の殺菌剤は臭気を取り除くことが難しく、さらに味や野菜のうまみを損なう恐れもある。カット野菜はかなりの時間、洗浄しているので本来の味が残っているか疑問である。
築地市場の1月5日初セリのマグロ価格は今年の景気を占う。