センタ-試験に出た本を借りる。
漢文脈と近代日本-もう一つのことばの世界 齋藤希史/著
急いで資料的な本を読むとき、特に図書館のような時間の制約があるところでは、序章とあとがきだけを読んで省くことがある。センタ-試験に出た問題は序章であった。本の後書きには今の日本の言葉が成り立っていることを知るには漢文脈の世界を知ることの必要性がある。特に寛政の改革のときに出された『異学の禁』から今の日本語が始まるようだ。もっとも漢字は古くからあったので先人達が漢文脈と格闘して作り出したようだ。漢文脈の日本語との関係を書いてある本には明治期の福神漬命名の周囲にある人が共通して出てくるのがどうしてなのだろうか。特に夏目漱石が気にかかる。彼がイギリス留学時に持ってゆく食品の中に福神漬缶詰があったのは何か意味があったと思われる。西洋文明の象徴でもある缶詰はナポレオンの呼びかけで発明された兵食用容器であった。缶詰に醤油で味付けた和の象徴でもある漬物をいれた福神漬を文明開化の関係と見たのではなかったのだろうか。