今日は定置網の漁獲物を水揚げをしていると、漁協定置網の人から珍しいのではと魚を頂く。見るとシロボシテンジクの幼魚である。実はこのサメの幼魚、昨日も他の定置網の捨てられる魚の中から自分で見つけ、魚ボラの標本用に確保している。このシロボシテンジクは毎年、この時期に幼魚が1個体ずつではあるが獲れている。最初に獲れたのは5年前で、自分ではサメの幼魚である事しか分からず、種までは同定できなかった。その頃はまだ鹿大に魚ボラの先生もいなく、今回の個体を含め、分からない魚は北海道大学まで送り、そこの研究者の方に精査してもらっていた。さらにこの魚に関しては孵化仔魚の初記録で、九州南部で繁殖している事を証明し、生物地理学会年報で報告してもらった思い出の魚である。その為、初採集個体の標本は北大に所蔵されている。幼魚は毎年この時期に獲れるのだが、成魚は未だに獲れた事がない。
*現在ではシロボシテンジクはテンジクザメと同種とみなされ、テンジクザメとなっています。