昨晩、夜間採集で採集したハタ科の幼魚。現場ではチャイロマルハタの幼魚かと思っていたが、体型や頬から腹部に掛けて白い事が気になり、持ち帰り写真を撮り調べてみる。すると更に背鰭軟条や尾鰭、胸鰭の縁辺が白色とわかる。図鑑やネットで調べると、科博のデータベースでチャイロマルハタの幼魚の標本写真を見つける。見ると鰭の縁辺の白色は確認できない。更にチャイロマルハタは体側に横帯があったり、胸鰭にも斑点があったりと、いくつも一致しない個所を見つける。他のハタ類も調べるが今回の個体と同じものが見つからない。という事で日曜日だが一応魚ボラの先生に連絡する。すると運良く電話は繋がり、標本を持って行くことになる。今日は丁度家族で鹿児島に行く予定であった。先生も大学ではなく、かごしま水族館にいるというので水族館の方へと向かい、標本を渡す。その後、夜になりハタ類を研究している学生から連絡があり、同定結果がシラヌイハタとなったことを教えてもらう。シラヌイハタと聞いて驚く。シラヌイハタは11年前に屋久島から得られた標本に基づき、日本初記録種として報告された魚である。更に幼魚は国内ではまだ見つかっていないらしい。報告書も作成する事になり、少し早いがクリスマスプレゼントとなる。
シラヌイハタ幼魚