昨年の11月24日に市場に水揚げされているのを見つけ、魚ボラの標本用に確保し、鹿大に持ち込みコガネマルコバンと同定された魚(ブログ 初確保 コガネマルコバン)ですが、その後、魚ボラの学生が頭部を解剖して精査され、第2肋骨が大きく肥大する、側シ骨と前鋤骨がこぶ状に肥大する、上後頭骨上片は板状、上神経骨第1骨は逆L字状などの内部骨格の形態がコガネマルコバンではなく、国内ではまだ未記録のTrachinotus anak Ogilby, 1909と同定されました。その後、その学生が論文を執筆し、今日魚類学雑誌早期公開版が出版され、ヨコヅナマルコバン(新称)と提唱されました。当時コガネマルコバンと同定された時もとても嬉しかったが、日本初記録種となるとは更なる喜び。当時のブログにも書いているが、魚ボラの先生がコガネマルコバンによく似た頭部の骨格の違う未記録種がいると言うのが良いヒントとなったであろう。コガネマルコバンを日本初記録種として論文を執筆したのが魚ボラの先生なので、この近縁種に関しては特に詳しいと思われる。違う研究機関に持ち込んでいればコガネマルコバンのままだった恐れもあり、運も良かった感じである。だが、良かった反面、今後また新たに標本を手にした場合、毎回解剖、もしくはレントゲンで頭部の骨格を調べないと同定出来ない事となり、厄介な事になってしまった感じでもある。
ヨコヅナマルコバン