今日は仕事が午前中で終わったので、午後から貝採りへ行く。時間がないので貝を採ることだけに集中する為、魚の採集道具や水中カメラは持たずに行う。魚には目もくれず貝類を探す。貝を探して岩の隙間を覗き込むと、カサゴのような魚が隠れている。場所的にイソカサゴかと思うが、頭部が丸く見える。採集する気はないが、魚種が何なのか気になる。採集道具は無いのだが、岩の隙間で入口はこちら側だけなので、入口に採った貝を入れる網の口を置き、隙間から追い出し、見事に網の中に追い込む。見るとイソカサゴではなく、まだ採集したことのない、チブルネッタイフサカサゴのように見える。魚は採集しない予定であったが、これは確保せねばと貝と一緒の網の中に入れ、持ち帰る。標本写真を撮り、調べるとチブルネッタイフサカサゴに似てはいるが、以前にネッタイフサカサゴを採集した時に魚ボラの先生に教えてもらった特徴が薄っすらと確認できる。だが、以前採集した個体には頭部に大きな皮弁があったが、この個体には確認できない。こうなったら魚ボラの先生がフサカサゴ科の研究者なので聞くしかないとメールで尋ねる。するとやはりネッタイフサカサゴと同定される。今回は魚を採集しないつもりであったので、予想外の収穫となる。
今日は定置網漁でスジアラが1個体獲れる。こちらでも結構な高級魚であり、活魚で水揚げするので船の中に泳がす。帰港し、水揚げする。スジアラはたまに市場に活魚で水揚げされており珍しくはないが、高級魚なうえサイズが大きいので高値な為、魚ボラの標本用としては未だに確保していない。今回も標本用にとは全く考えもしない程である。標本用にはスルーしたが、よくよく考えてみると、うちの定置網ではチャイロマルハタやヤイトハタは獲れるものの、スジアラは今回が初めてではないだろうか。という事は初入網である。たまに市場で見ているので、最初に網の中にいるのを見つけた時はまだうちの定置網で獲れた事がないという感覚はなかった。だが、手が出ない程の高級魚なので、標本用にまだ確保していないという事は忘れもしない。