今日は堤防で網の作業をしていると、通りかかったお隣の定置網の方から標本用の魚を確保してあると言われる。仕事終了後、市場の冷蔵庫へ行き確保してもらった魚を見る。するとサギフエである。サギフエは夜間採集で稚魚を採集している(ブログ2015 3.27)(ブログ2016 5.1)(ブログ2018 3.10)。また、定置網でも魚ボラが始まる前に幼魚が獲れた事があるが17年も前で、今回で2度目である。更に成魚が深海エビ漁でも得られている(魚ボラではダイコクサギフエと同定)。日本に生息するサギフエ科は現在2種となっており、今まで夜間採集で得られた稚魚はどちらかわからない。今回頂いた個体も自分で検索するも違いがよく分からない。検索図鑑では背鰭第2棘長や鋸歯の有無などの違いで2種に分けられている。だが、背鰭棘長の違いは体長120mm以上でないと該当しないとの事で、この個体では適用されない。となると、鋸歯の有無だけであるが、あっても痕跡的となっており、この個体も微妙な感じに確認できるのでどちらとも言えない。日本産のサギフエ科だが、昔は今と同じく体高が低く背鰭第2棘が短いダイコクサギフエと体高が高く背鰭第2棘が長いサギフエの2種とされていた。だが、検索図鑑第1・2版ではそれまでの日本産2種と海外産の1種をまとめ、サギフエとしていた。ところが検索図鑑第3版では再び2種に分かれており、和名と学名の対応は再検討としている。結局は未だに混乱している感じである。成魚ならともかく、このサイズとなると自分では同定は出来ず、あとはいつものように魚ボラ任せとするしかない。
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