お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

カクレンボウ

2021年09月24日 | 日記
 以前から鹿児島大学でも魚ボラではなく、別の学部の先生から魚の収集依頼を受け、定置網で混獲された捨てられてしまう魚などを提供していた。今回、捨てられる魚ではないが、ゴマサバから新種の寄生虫が見つかり報告された。ゴマサバは重要な水産資源であり、各国で漁獲・利用され、寄生虫について研究がなされ、有名なアニサキスをはじめ多くの寄生虫が明らかとなっている。そのような状況の中、ゴマサバが記載された1831年から190年を経ての新種の寄生虫発見となりました。極めて隠蔽的な場所に隠れ住むこと、多くの寄生虫学者の目に触れることなく現在に至った隠れ上手な性質にちなみ、標準和名カクレンボウが提唱されました。その学名がColobomatus itoui と私の名を付けてくれました。以前にゴマサバから新種の寄生虫が見つかり私の名を使わせてくれと言われていたのですが、みんなに嫌われそうなサバの寄生虫に私の名とは躊躇い、一度は断りましたが、人に害のない寄生虫と言う事で最終的に承諾しました。でも、寄生虫だからなぁとその後も思っていましたが、カクレンボウと何とも可愛く人に愛されそうなセンスの良い和名を付けてくれたのでとても有難く、報われた感じである。だが、学名に私の名を使って頂いたものの、これだけインパクトのある標準和名であれば、学名は和名の様にその陰に隠れてしまうだろう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« イトマンクロユリハゼ再び | トップ | 2年振りのマテアジ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事