桜のつぼみが膨らんできて、卒業式シーズンを迎えているが、地元の中学校卒業式にお招きをいただいたので、いつも見守り隊として通学時に出会う子ども達の門出を祝いたく出かけてきました。
「威風堂々」の曲に乗って、来賓、保護者、在校生の拍手に迎えられて、会場へ卒業生165人が入場してきた時は、どの顔にも、堂々とした?という顔ではなく緊張しきった面持ちであったようだ。
これまでも何度か小学校や中学校の卒業式に参列する機会をもらい、卒業式での国旗掲揚・国家斉唱についての対応がどうだろうかと関心をもって見ていると、国旗は既に壇上に掲揚されていたが、国歌斉唱では、残念ながら唄うのは来賓のみで、目の前の卒業生は全く口が開いていない。
教職員や保護者席は、確認できなかったが、未だに国歌に対する認識が薄らいでいるようだ。
国歌斉唱などについても、定かではないが実施するには、学校内ではいろいろ手順があるそうで、一般市民としては、本当に寂しい気持である。 「君が代」の歌詞は、今の子ども達に理解は難しいだろうが、軍国主義だとかを持ち出して論議すること自体が、最早時代遅れと思うが・・・・
卒業証書授与では、校長から一人一人に壇上で、「おめでとう~」と声をかけながら手渡されていたが、緊張が高まっているのが来賓席にも伝わってくるようだったが、全員に授与が終わったころは、ホッとした雰囲気が流れていた。
保護者の気持ちは、どんなにか喜びが大きいだろうと推察できるが、保護者席を眺めていると、我が子の巣立つ瞬間をカメラに収めようと、撮影に追われていたようであるが、今世代の親子の有り様を垣間見た感じがする。
式は粛々と進み、学校長や来賓の挨拶では、人生航路に旅立つ卒業生に、自らの言葉を持ち、自らの強い意志をもって頑張って欲しいと励ましの言葉が続き、温かい祝辞が送られていた。
緊張感もほぐれていたが、今一盛り上がりに欠けていると感じていたが、在校生からの送る言葉や卒業生の別れの言葉が続いてくると、それぞれに感激の時が流れていたようだ。
最後に、別れの曲は何が唄われるのかと興味があったが、定番の「旅立ちの日に」が唄われ、 『・・・・・勇気を翼にこめて 希望の風に乗り この広い大空に 夢を託して・・・・』 と会場一杯に、こだましていた。
我々「仰げば尊し」世代には、若干寂しさを感じるが、今は、「旅立ちの日に」が一番人気がある卒業式の歌だそうだ。
式が終了後に、突然卒業生の中から、クラスの代表?が立ち上がり何事かと思っていたら、代表生徒から担任の先生に向かって、「卒業生のお礼の言葉」として、3年間の生活や行事を振り返りながら、「多くの想い出や先生と出会えたことへの感謝の気持ちが述べられ、クラス仲間と一緒に卒業できることを誇りに思う」と挨拶したときは、会場から感動して先生始め、在校生、保護者からすすり泣きが湧いてきて大きな絆が繋がっていた。
式終了後、控室に戻ると、学校長から最後の感激のシーンは、卒業生から突然申し入れのあったもので、アドリブだったようで、会場に語り知れない感動の時を創り上げていた。
義務教育を終えてそれぞれの人生に歩み出すが、希望を失いことなく育って欲しいと願って式場をあとにした。