ブログ雑記

感じることを、そのままに・・・

芭蕉は水道職人?

2017-07-27 14:16:06 | Weblog
以前金子兜太の小林一茶の俳句でつないだ評伝を読んで楽しかったものだから毎日毎日下手な俳句を150句ほど作り続けて春が終わって梅雨入りした頃少し足踏みしだして、休んでいた。
ところが図書館の新刊書コーナーで嵐山光三郎の「芭蕉の修羅」に出くわした。

芭蕉とは俳聖だ、といった漠然としたイメージしか持っていなかったもにとって、「芭蕉の修羅」という題名にとても惹きつけられた。
修羅とは仏道六道の1つで争いの世界の事だと書かれていた。
読んでみると「芭蕉の修羅」という著者の意図する意味がよく理解できた。
芭蕉が水道工事のエキスパートとして神田川の拡幅工事を指揮した事などはじめて知った。
奥の細道の旅は西行に憧れた旅であると同時に日光東照宮の修復を命じられた仙台藩を隠密として調べる旅でもあったらしい。そして弟子達の献身、句会の開催(俳諧百韻 、万句興行、二十番勝負)作品の出版などと芭蕉の人生は修羅と言える人生だったように感じた。それにしても江戸時代の人々の文化というか風流を求める句会が限られた交通手段の中で盛んに行われていた事に驚きを感じた。更に書物を手に入れ難い時代に万葉や源氏や西行を読み漢詩を学んで自分の俳句の糧にしていた凄さに更に驚かされた。
いつの時代も自分の求める道を突き進めた人は傍目はどうあれ幸せな人生を歩んだ、と思う。