575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

噴水の止まるとき水崩れけり   ひとし

2015年07月20日 | Weblog
勢いがあってこその噴水です、と鳥野さん。

  滝の上に水現れて落ちにけり   後藤夜半

この句を思いだしました。
あたりまえのことを当たり前に詠む。
しかし改めてこう言われると・・・
水の柱が崩れてゆく有様がくっきり浮かんできます。

亜子さんは、噴水を感情の比喩として読みました。
自分のなかの激情がふっと消えてゆく様を想像したそうです。
俳句の写生はかくあるべし、というお手本のような句です。

  噴水の止むとき心すぼみゆく  静荷

同じことを詠んでいますが、こちらは心象風景を。
噴水の最後の水は、地中に吸い込まれるように消えていくそうです。
静荷さんの句も、しっかりとした写生が基礎となっています。

ひとしさんの句は、共感を求めない。解釈は読み手に委ねられています。
読み手を信頼しないと作れない句ではないでしょうか。
この句が最高点を得たことは、句会の読み手の力がついてきた証とも。

              

応答の一日一句

  妻の手に小さき手製の花氷   孝

  地下街に小さき風立つ花氷   亜子

台風が遠ざかったら夏本番。いきなり猛暑。
熱中症など充分に注意して下さい。      遅足


コメント
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