575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

瀬田川に浮くは言の葉月明り  郁子

2024年12月13日 | Weblog

今年の大河ドラマ「光る君へ」も最終回が近づきましたが、遅ればせながら先月、滋賀県大津市にある石山寺を訪ねてできた私の拙句です。

紫式部ゆかりの寺。源氏物語はここから生まれたのだと今年は観光客も多く、すぐ脇を瀬田川が結構な速さと水量で流れていました。

 能登さん:月明りの瀬田川には、紅葉ではなく言の葉が浮かび流れていく。なんと素敵な情景でしょう。

 亜子さん:文学的な句。大津の瀬田川に「言の葉」が浮いているという表現が謎めいてはいるが、和歌か俳句を思い浮かべられたのではないか。その謎めいているところがよい。

素敵なコメントをいただきありがとうございます。

瀬田川は、琵琶湖から唯一、自然に流れ出ている川で、京都では宇治川、大阪では淀川と名前を変えて大阪湾にそそぐ一級河川です。

古来,北陸と大和を結ぶ重要な水路でした。出不精な私ですが、珍しく日帰りのバスツアーに参加し、ガイドさんから熱っぽく語られた紫式部のお話が句のベースとなりました。

「満月だったそうですよ。川面にその月明りがきらきらと光りながら流れていく・・それを見て、まひろの筆は走る走る・・」 ガイドさんはとても明るくすこし盛っている気もしました。(笑)

実際、石山寺にある月見亭からは瀬田川が見下ろせます。紫式部の目には水面に月のひかりの欠片がかな文字となって流れていくように見えたかもしれません。

  

石山寺の由来となった珍しい天然の巨石、国宝の本堂、多宝堂も見ごたえのあるパワースポットです。ガイドさんの唄う「琵琶湖周航の歌」も哀愁があって感動しました。バスツアーの時間に気をとられ、残念ながら芭蕉の句碑を見忘れました。またゆっくり訪ねてみたいお寺です。郁子

 

コメント (2)
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