575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

『寒ないか』父の声する冬銀河  童子

2024年12月20日 | Weblog

全国的に冬本番です。初雪の便りも届き、年末は厳しい寒波が予想されます。そんな中「寒ないか」の一言でこころがほっこり和らぐやさしい一句です。

 竹葉さん:冬銀河が冬の星とか冬夜空とかより温かみがあっていいなぁーと思います。

 容子さん:お父様の優しい気遣いを感じると共に良好な関係性を思いました。

 須美さん:地元のことばがよいです。見守ってくれているのでしょう。

 晴代さん:多分関西出身のお父様と思いますが「寒ないか」の言葉に子供への思いがこもっています。

 亜子さん:夜空が見える部屋からか屋外から見ているのか場所がよくわからないが、父からすると子供はいつまでも子供。「寒ないか」という台詞が効果的でロマンが感じられる。

 佐保子さん:冬の寒い夜道での外出、父親が「さむないか?」と子を気遣う、空には銀河がきれい、晴れて寒い。

 遅足さん:死んだ父の声かなあ

「寒ないか」と声をかけたお父さまは、傍にいらしたのか、すでに亡くなられていて思い出の声なのか・・

   

作者から、コメントをいただきました。

「先日コロナから退院したばかりの幼なじみのお父様が旅立たれました。お別れの句です。もう冬銀河のどこかにいらっしゃるのかな…

わたしの父もいるのかな…空の父たちは自分のことより娘のこと、心配しているに違いないと思います。」

 髭を剃る退院の朝鳥渡る  童子(11/22ブログ掲載)

この時の幼馴染みのお父さまがご逝去されたのですね。たぶん父親同士も旧知の仲で、ふたりして銀河の向こうから見守ってくれているのでしょう。

訃報が次々入ります。お星さまがまたひとつ増えて冬銀河が切なく輝きます。  郁子

 

コメント (2)
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