天台宗大阿闍梨であった酒井雄哉師。
(正しい文字は「哉」ではなくその字から「ノ」を取った字である。)
過酷な修行である千日回峯行を二度も行った師の言葉に、画家の寺田みのる氏の挿絵を重ね、その言葉についての意味や酒井師の言動などを交えた文章が加わって、本ができている。
見開きの言葉と挿絵。
次の見開きページに、解説。
一つ一つ、読みやすい構成になっている。
酒井師のたくさんの言葉が、現在の私自身が経験を通して思うことと重なることが多い。
酒井師のような人間の限界に挑戦するような行は全くしていないが、60年余り生きてきて思うようになったこともある。
・とにかく続けること そうすれば必ず何か見えてくる
・人生におちこぼれなし
・夜が明ける いつものように朝が来る
・まずは三日辛抱
・今だけが人生じゃない
・一日が一生
・ただ自然に
・自分が強くなること 結局は
・人間死ぬまでに何かいいことしたいね
…今まで自分が生きてきて、支えになった思いをうまく表現することは、難しい。
けれども、こうして短い言葉にして、いくつも列挙去れた本書を読んでみると、ああ一致するなあ、と思う。
酒井師は数年前に亡くなってしまった。
しかし、こうして言葉は教えとなって残っていく。
私の人生はまだまだ続く。
「思い」をもって生きていきたいものだ。