ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

早川史哉選手の配慮に満ちたコメント

2019-02-14 22:43:37 | ひと

母の命日と墓参りに行った日のちょうど間の日、日本中が驚いた報道があった。
競泳の池江璃花子選手の白血病の公表である。
白血病は、血液のがんと言われるが、母はリンパのがん、そして肺のがんであった。
この病と闘い、克服していくのは、簡単ではないだろうと思う。

病の種類は違うが、抗がん剤を受けたりしてその闘病のつらさに、母は、
「なんで私がこんな病に。私がどんな悪いことをしたというの!?」
と、よく訴えたものだった。
病と品行のよしあしは全く関係がないだろうが、当時、そう言わざるを得ない病の大変さがひしひしと伝わってきた。

池江選手は、まだ18歳。
こんな若い人に…、こんなにスポーツで期待されている人に…、と信じられない思いがする。
どの人の命も重いが、そういう人だからこそ、世間に与える衝撃は大きいのだと思う。

だが、急性白血病を乗り越えて今季から再びJリーガーとして復帰を果たした早川史哉選手の存在が、暗闇の中の一筋の光になってほしい、と思う。
白血病にも種類があるし、人によって状態が異なることだろうから、簡単に気休めは言えない。

早川選手は、公表されたその日のうちに、チームを通じてコメントを発表している。
早川選手ならではの、配慮に満ちたコメントだと思った。

・他人事ではなく、自分のことのように感じている。
・競泳選手としての池江さんというより、一人の人間として病気に立ち向かってほしい。
・周りの多くの方はどうしても綺麗なドラマのように、復帰して再び活躍する姿を見たいと期待していると思うが、まずは一人の人間として元気になってくれることを僕は願っている。
・決して一人で背負いこまないでほしい。
・周りの方々から池江選手に温かい優しさをたくさん与えてほしいし、その想いが必ず池江選手の力になると思う。それは、白血病を経験した自分自身が感じてきたことでもあるから。
・僕自身が力になれることがあれば協力させてもらいたい。
・誰かと比較せずに池江選手のペースでしっかりと病気と向き合って進んでほしいのが一番の願いだ。
・池江選手に対するリスペクトと思いやりをもって、彼女の戦いに大きな優しさと温かさをもって寄り添ってほしい。

…一つ一つの言葉に、病の経験者でないと語れない重みがある。
早川選手の言葉には、「がんばれ」という言葉がないことに気付く。
「がんばれ」は、言う相手に対して「辛さに耐え抜け」というような命令形の意味ももつ。
早川選手は、闘病生活で、時にこの言葉が辛かったのではないかと思う。

最後の言葉には、「リスペクトと思いやり」という言葉がある。
単なる「かわいそう」という憐れみではなく、「リスペクト」をもつことが、見守る私たちには必要なことなのだと思うのだ。
コメント
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