ひと月前に出た浜田省吾のDVDがすごい。
10月初旬に彼のCDが出ると聞いて、楽しみにしていた。
とは言っても、発売されるのは、今まで発表された曲のベスト物。
2年ほど前に2枚が発売され、なぜか遅れて3枚目が出るというもの。
Amazonで予約しようとしたら、DVDも同時発売とのこと。
しかも、DVDは割引するとのこと。
6,500円を4,765円にしてくれる。
これは、うれしい。
合わせて注文することにした。
浜田省吾のアルバムCDは全部持っているが、DVDは1枚も持っていない。
浜田省吾を好んで聴くようになってから、30年近い。
コンサート風景がたっぷり入ったDVDを1枚くらい持っていても悪くはあるまい、と思ったのだ。
そのDVD「僕と彼女と週末に」を視聴してみて、驚いた。
1曲目、2曲目、3曲目。
浜田省吾の姿が出て来ない。
1曲目と3曲目は、歌声はあるが、本人の姿は出て来ない。
2曲目は、インストルメンタルだ。
本人の姿の代わりに、次々に映し出されるのは、最初に、ペリーの肖像。
あの、鎖国の日本に開国を迫った、アメリカのペリーだ。
そこから、次々に出て来る日本の幕末の志士たちやその頃の日本の人々の姿や風景。
やがて、明治に移り、「野麦峠」をほうふつとさせる女工たちや日露戦争の日本の戦い。
そして、韓国併合や満州国独立、国際連盟脱退、第2次世界大戦、太平洋戦争…と続く。
原子爆弾の爆発から終戦へ。
画面に目が吸いついて離れない。
4曲目になり、突然ステージ上に浜田省吾が登場し、若い頃、10年ほど前、そして今の姿でその曲を歌う本人の映像も繰り返される。
ただ、映像は、戦後の日本、そして世界の歴史が次々と現れる。
現在の天皇が皇太子時代のご成婚、ベトナム戦争、ケネディ大統領の暗殺、東京オリンピック、学生紛争、あさま山荘事件、オイルショック…。
次々に私も知っている昭和の事件が出て来る。
あんなこと、こんなことがあったと思っているうちに時代は平成になり、ベルリンの壁崩壊から、やがて、9・11アメリカ同時テロ多発事件へ…。
日本は、小泉、安倍、福田、麻生の自民党首相から民主党鳩山、菅政権へ。
浜田省吾の歌う姿と合わせて、息もつかせぬ映像が次から次へと流れていく。
浜田省吾のDVDを見ながら、自分自身の自身の人生も振り返っていた私だった…。
浜田省吾は、広島の出身である。
警察官の父は、被爆直後の広島に援助に入って、放射能の影響を受けている。
今回のアルバムやDVDには、“FATER’S SON”というアルバムで発表した曲も多い。
うまくは語れないが、今回のアルバム・DVDは、彼が今まで歌ってきたものの集大成と言える。
彼の歌には、愛や恋の歌にいいものが多く、家族愛を感じさせるものもある。
世界や日本の情勢を歌って平和への願いを感じさせるものなども、歌ってきていた。
今回は、その彼の思いをたっぷり感じてしまう。
広島、父、アメリカ、日本、戦争、平和…。
別に買ったCDも、同様に感じるものが多くある。
うまく表現できないのがもどかしい。
しかし、このDVD「僕と彼女と週末に」は、掛け値なしにすごい。
昭和から生きてきた人に、ぜひ見てほしいと思うのだ。