久しぶりに従兄弟と会った。ずいぶん年の離れた従兄弟で小さいときから<兄ちゃん>と呼んでいた。
この兄ちゃんには、戦争に繋がる思い出がある。
小学校2年生くらいだった。母に連れられて、汽車で大阪に行った。まだ空襲などなかったように記憶している。兄ちゃんの家は、にぎやかな町を抜けた、静かな住宅街にあった。
夜になると、大勢の人がそこに集まった。襖を外して二つに部屋を広くしても座りきれないほどの人数だった。
お酒が出てにぎやかな部屋の端っこでチョコンと私は座っていた。
賑やかなのに何か淋しいものを感じる集まりだった。
兄ちゃんは、金色のボタンの光る服を着ていた。一つ二つ。ボタンは7個ついていた。
「明日、兄ちゃんは予科練に行くの、」母が教えてくれたけれど、予科練なんで何のことか分からず、それでも、何か遠くに行ってしまうような感じだけはしていた。
大きくなって予科練のことを知ったとき、あの時集まった人達はお国のために旅立つ従兄弟をいろんな思いを込めて、壮行会をしたのだと~~~。そして、あのままの別れにならなくて良かったと。
この兄ちゃんには、戦争に繋がる思い出がある。
小学校2年生くらいだった。母に連れられて、汽車で大阪に行った。まだ空襲などなかったように記憶している。兄ちゃんの家は、にぎやかな町を抜けた、静かな住宅街にあった。
夜になると、大勢の人がそこに集まった。襖を外して二つに部屋を広くしても座りきれないほどの人数だった。
お酒が出てにぎやかな部屋の端っこでチョコンと私は座っていた。
賑やかなのに何か淋しいものを感じる集まりだった。
兄ちゃんは、金色のボタンの光る服を着ていた。一つ二つ。ボタンは7個ついていた。
「明日、兄ちゃんは予科練に行くの、」母が教えてくれたけれど、予科練なんで何のことか分からず、それでも、何か遠くに行ってしまうような感じだけはしていた。
大きくなって予科練のことを知ったとき、あの時集まった人達はお国のために旅立つ従兄弟をいろんな思いを込めて、壮行会をしたのだと~~~。そして、あのままの別れにならなくて良かったと。