神父さんの前で、神に変わらぬ愛を誓った二人は、薔薇の花びらを親族から浴びながら、結婚式を終え、披露宴会場に向かった。
形式的なお決まりのご挨拶は全て抜きの二人で創りあげた披露宴が、全て出席者参加型という楽しい盛り上がである。
昨年、沖縄に旅行した時、聞いた三線の虜になって、習い始めたという三線を花嫁と先生が弾く。花婿は太鼓。
両家の母親が、それに合わせて、沖縄のお祝い歌を歌う。微笑ましい光景である。
三線の先生が即席に教えてくれた祝い踊りを、皆で踊る。どの顔もほころんでいる。
花嫁も、三線を膝に置いて手拍子を打ち始めたのが可愛い。
お友達や、俳優さん仲間に混じって、中、高年の方もだんだん仲間に加わっていく。
沖縄民謡に変わって,ゴスペラの澄んだボリュームのある歌声が会場に響き渡った。
テレビでは聴いていたが、生の歌の迫力にはわくわくしたあついものが込上げてくるように感じる。
彼女は、各テーブルを回りながら、座っている人達を、リズムにのせてダンスの輪に誘っていく。
娘や弟夫婦も踊っている、あんな嬉しそうな顔を見ていると、自分まで嬉しくなる。
極めつけは、このワンちゃんのロッキー。
両親への花束贈呈の変わりに、新郎の生まれた時の体重と同じ重さの縫いぐるみの犬をプレゼントしたのである。
名前はロッキー。長年家族同様に飼っていたハスキー犬をなくした悲しみに暮れていた母親への思いやりで、ワンちゃんを選んだことだろう。
母親は、生まれた時の我が子と同じ重さの縫いぐるみの犬を胸に、今手元から巣立っていく息子の成長に感無量に違いない。
花嫁は、同じく生まれた時の体重のウサギの縫いぐるみを母に贈った。
二人の共同作業は、披露宴創りから・・・きっといい家庭をつくっていくことだろう。