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資料館から敷石伝いに歩くと、堀邸に至る。
萱葺きの冠木門に「皇居」の扁額がある。これは、天誅組の吉村寅太郎の揮毫によるものだが、現在の扁額はレプリカで、実物は、資料館のケースの中にあった。
その後。1348年には、後村上天皇、1373年頃長慶天皇、1392年には、南朝最後の天皇である後亀山天皇が、堀家の行宮に入られたと書かれている。
辞書で引いてみると、行宮とは、「天皇が旅に出られたときの仮の御所」と載っている。
しかし、当時の南朝は、ここが天皇のお住まいになる御所なのであった。
第97代~99代までの天皇は、ここを皇居とされたのである。
現在、ここは堀家の方が生活をされている場所なので、中の見学は、前もって申し込みが必要との事で、今回果たせなかったが、機会があればいつか訪れたい。
堀家の前の枝垂桜の古木に、花咲く頃の萱葺き屋根の冠木門は、趣が深いことだろう。
横を流れる小川は、宮谷川であり、そこに架かる橋は、皇居前橋であることも、この山里の人達と南朝との縁と言えよう。