友人から吊るし柿を頂いた。
今生産農家で使っている機械で皮を剥くのでなく、一つ一つ丁寧に包丁で手剥きされたものである。
普通、へたの部分に紐に、取り付ける為の、小枝を付けるのであるが、彼女の手作りの吊るし柿は、枝が無く直接へたと紐をホッチキスて留めるという、手間のかかったものであることに感心した。
これなら、乾燥するにつれて、時には紐から離れ落ちることも無い、手作りならではの工夫である。
吊るし柿には懐かしい思い出がある。
山のお寺に嫁いだ頃の秋の終わりになると、陽の当たる縁側で、義母が皮を剥き、夫が縄を綯った所に、義父が柿をつけていく。
暖簾のように吊るした柿が黒くなり甘味を増すのはお正月の頃だった。
時には、ヒヨドリに持って行かれる事もあったが、家でお八つにするには十分だった。
頂いた柿は、陽の当たる庭先に一日つるしておいた。
夕方取り入れて一つ食してみた。
彼女の家で、十分処理されていたので、少し固くなった回りの部分の中は、柔らかくジュウシイそして甘いこと。
早速彼女に教えて貰ったとおり、紐からはずして1個ずつラップした。
そのまま冷凍室に入れておくと、食べたい時自然解凍すれば、今のままの味と柔らかさで、美味しいとの事である。
孫たちの来るお正月まで、冷凍室入りである。