
裏の田圃を覗き込みながら、ゆっくり歩いた。
足音と、人影に、オタマジャクシの群れが一斉に移動する。
暫く立ち止まっていると安心したのか、田の縁にも寄ってくる。
左手前のは、オタマジャクシでなくカブトエビのようだ。
正式な名前は分からないが、小さい頃からそう呼んでいた。
田を覗きこんでいる私たちの傍を通りかかった農家の人が、「カブトエビは、草を食べてくれる」と教えてくれたが、これは聞き初めだった。

特にその所に、オタマジャクシが多く集まっていくのは、彼らの食料がここにあるのだろうか。
めったにこのように田圃を注意して見ていなかったが、面白くて覗き込む私に娘が、「お母さん落ちるよ」と言われてしまった。

その緑の中に白い花を見つけた。
形は朝顔と同じだが小さい。
帰って調べてみると、「コヒルガオ」であることが分かった。
これはつる性の多年草で、ヒルガオ科ハギ属」である。
そういえば、毎年緑の中に白く咲いていたなぁと思った。
朝顔は1年草「ヒルガオ科・アサガオ属」であることもついでに知った。
久しぶりの母娘の自然観察だった。
