今年もその季節が来たのだなぁとその時神戸に住む友人のことを思った。
「宅急便で~す」元気なお兄さんの声で届いたのはイカナゴの釘煮だった。
包みを解き、容器の蓋を開けるといい香りがする。
すぐ、友人に電話をした。
「今年は、遅くなってごめんね。ぎっくり腰になったものだから・・・」
浜に買出しに行って時間をかけて丁寧に仕上げる彼女の作業は、ぎっくり腰の後大変だったろうと、話を聞きながら思った。
「みんな、待っていてくれるからね。でも、今年は少なくて・・・」
彼女の優しい気持ちを噛みしめるように、美味しいイカナゴの釘煮を少しずつ食卓に載せている。