けたたましい百舌の鳴き声で目を覚まされた。 「キチキチキチ」とも聞こえるし「ギチギチギチ」とも聞こえるが、ともかく小鳥の声の優しさがなく、けたたましさが秋になってから庭の木の枝の中から聞こえる。 木に留まっていると葉に隠れて姿は見えない。ところが今朝は庭の方からでなく、裏の道の方から声がする。
カーテンを引くと、外は乳白色の世界である。深い霧に包まれた隣の家の塀に留まっている小鳥がぼんやりと見える。
ズームで引き寄せてみると、微かに色も見えているが、写真にして初めて色が分かったもので、肉眼では「キチキチキチ・キィーキィー・・・ギチギチギチ」と言う声の主はここにいたのが分かった。
こうして画像を見ると、嘴の開けているのが見える。しきりにさえずっているのだ。百舌はこのように高い声で囀って、自分の縄張りを主張するのだと聴いたことがある。
我が家の庭に毎日来ている百舌かどうかは、分からないけれど、とにかく囀り続ける姿を見たのは、深い霧のお陰だった。
視界は20mもあるのだろうか、なかなか晴れなくて空の重いような朝だった。
縄張りを確保したのか、その後は百舌の鳴き声はしなくなった。
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