南の山に巻く帯のような雲。
冷えた冬の朝の川霧に似ているがそうではない。昨夜降った雨の湿気がまだ空に帰ることなく、西吉野あたりの山の中腹にとどまっている。
この雲が上がらないとお天気の回復が遅い。
雨は降っていないけれど気温が高く、むしむしとして汗をかいても蒸発しないでしんどい朝になった。
ずうーっとカメラを東に振ったが、雲の帯はまだまだ続いている。
裏庭のユリは細い首にも、ヘリかえった花弁の先にもとどまれる所に雨粒を宿している。
もし太陽が出ていたら、この雨粒の一つ一つがもっと光って美しいなぁと思う。今日は午後にならないと日が差さないとのことだ。
雨粒はその頃までくっ付いていてはくれない。
塀際の白百合はもっと沢山の雨粒を宿していた。