孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

中国  深セン日本人児童刺殺事件への中国政府・世論の反応

2024-09-20 23:23:55 | 中国

(中国人らが次々と献花に訪れた深圳日本人学校(20日、中国・深圳で)=大原一郎撮影【9月20日 読売】)

【中国政府「単独犯の偶発的事件」 日本との関係悪化や社会の不安定化を回避する意図】
周知のように、6月に江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子が男に刃物で襲われ負傷し、案内係の中国人女性が死亡した事件に続いて、18日には広東省深セン市で日本人学校に登校中だった日本人男児(父親が日本人、母親が中国人)が、学校から200メートルほどの位置で男(44)に刺され亡くなりました。

相次ぐ日本人学校・日本人が標的となる事件が起きたこと、事件発生の9月18日が満州事変につながった柳条湖事件が起きた「国辱の日」であったことなどから、「反日」を背景にした日本人を狙った犯行ではないかとの憶測がある一方で、中国政府は微妙な日中関係への影響を最小限に留め、社会不安を抑止する意図があるようで、事件の背景には言及しない形で「単独犯の偶発的事件」として処理する姿勢です。

*****「単独犯の偶発的事件」=中国深センの日本人男児襲撃を地元紙詳報―当局、社会不安警戒****
中国南部・広東省深セン市で日本人男児が刺されて死亡した事件で、地元有力紙・深セン特区報は20日、警察から得た情報として「偶発的事件だった」とSNSで伝えた。44歳の男による単独の犯行で、容疑を認めているという。日本政府の情報提供要請を受け、中国当局が同紙を通じて事件の詳細を公表した形だ。

中国では6月、東部の江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子が男に刃物で襲われ負傷し、案内係の中国人女性が死亡する事件が発生。その時も中国当局は「偶発的事件だった」と説明した。

同紙によると、容疑者の男は定職に就いていない。2015年に公共の通信設備を壊して警察沙汰になったほか、19年には公共の秩序を乱したとして深センの警察に拘束された。

日本人を狙った犯行なのかや殺意があったのかを含め、動機は不明。同紙は容疑者について「刃物で児童を傷つけた行為を認めている」とし、「さらに調べが進められている」と報じた。

中国当局は今回の事件によって、経済を中心に日本との関係が悪化する事態を望んでいない。類似の事件が相次いで中国社会が不安定化することも警戒している。同紙はSNSで論評記事も配信し、「犯行を強く非難する」と表明。「この容疑者の暴力行為は一般の中国人の素養を代表するものでは決してなく、社会全体の状況を反映するものでもない」と強調した。(後略)【9月20日 時事】
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44歳の容疑者の男は定職についておらず、2015年には電信設備の破壊、2019年にはデマで公共秩序を乱したとして拘束されていたようです。

中国の主要メディアは沈黙を貫いており、中国国内での報道は規制されているようです。
SNS上では多くの事件を批判し、被害者への哀悼の意を示す多くのメッセージがよせられる一方で、日本の歴史認識や対中姿勢が事件を引き起こしたとの反日感情を露わにする声もあります。

****深圳の日本人男児殺害、中国主要メディア沈黙 SNSは「批判」と「反日」が混在****
中国広東省深圳(しんせん)市で日本人学校の日本人男子児童(10)が男に刺殺された事件で、中国の主要メディアは沈黙を貫いている。当局から情報統制が敷かれているもようだ。

情報が飛び交う交流サイト(SNS)には「国の恥だ」と批判する声も多いが、事件の遠因が「日本にある」との〝異常〟な意見もあり、度を越えた「反日分子」の存在が浮き彫りとなっている。

「心から謝罪」「日本に原因」
地元紙「深圳特区報」は20日、警察から得た情報として「偶発的事件だった」と伝えた。男は容疑を認めている。日本政府の要請を受け、当局が同紙を通じて詳細を公表したとみられる。

ただ他のメディアの記事は皆無だ。18日に一報を伝えたメディアの記事は現在、削除されている。模倣犯の発生や政権批判への転化を避けたい狙いとみられる。

事件が発生した18日以降、中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)には多くのコメントが書き込まれた。「深圳人として心から謝罪する」「子供は無実。あらゆる暴力行為を非難する」などと事件を批判する書き込みも少なくない。

満州事変につながった柳条湖事件の9月18日に事件が起きたことに反応するコメントも数多かった。「国恥の日に子供を殺した男は国の恥だ」との見方もある一方、日本の歴史認識や対中姿勢が事件を引き起こしたとの声も散見された。

悲劇悼む動きも
NHKラジオ国際放送で尖閣諸島を「中国の領土」と発言するなどして解雇され、帰国した中国人男性とされるアカウントも事件に反応。

在中日本人や在日中国人の生活を揺るがす元凶は「安倍晋三政権が推進してきた歴史修正主義路線だ」とし、日本が一方的な姿勢を続ければ「両国で非理性的な傷害事件を引き起こすことになる」などと警告した。

事件の背景に反日教育が関係している可能性もゼロではないが、「抗日教育を中傷する者は犯人と同じく卑劣な人間だ」との投稿も。

在中国日本大使館のアカウントには中国人から多数の謝罪や追悼が寄せられるが、中国人が日本で犯罪に遭った際に同様の光景を「見たことがない」として、「中国人の命は日本人よりも軽いのか」とする書き込みもあった。

一方、X(旧ツイッター)には、男児が通っていた日本人学校前に献花に訪れた男性が「(中国の)長期にわたる憎悪教育が招いた結果だ」と話す動画が拡散。19日には東京都内で在日中国人有志が追悼集会を開くなど、悲劇を悼む動きも広がっている。【9月20日 産経】
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【「亜人事件」など、根深い反日感情も】
中国社会に反日感情が根深いのは事実でしょう。最近話題になった事件としては・・・

****円明園で日本人観光客らが難癖付けられる、警備員まで「小鬼子」と加勢する異常事態―中国****
中国・北京市の円明園で日本人観光客らが中国人インフルエンサーから難癖をつけられる動画が中国のSNS上に投稿され、反響を呼んでいる。

報道によると、騒動は今月7日に起きたとみられる。日本人観光客の男女と中国人通訳が円明園で記念撮影をしていたところに男性インフルエンサーが現れた。撮影していた通訳が「フレームに入ってしまうから」と男性インフルエンサーに移動を頼むと、男性インフルエンサーは「日本人か?」などと確認。「そう、日本人だよ」と言われると、「円明園というこの場所で、日本人のためにどけというのか」などと怒り、難癖をつけ始めた。

通訳が「どこの国かは関係ない」と言うと、男性インフルエンサーは「俺は関係あると思うぞ」と応じ、さらにまくしたてる。話が通じないと思った通訳は「あなたが関係あると思うならもういい」とあしらい、日本人観光客2人と共にその場を後にするが、男性インフルエンサーは後を追い回して撮影。

それに気づいた日本人観光客の男性が「通報するぞ」と言うと、男性インフルエンサーは「日本人が中国で警察に通報するのか」「俺は日本人のために場所を譲る気はない」などと個人的な主張を続け、通訳に対しても「日本人を守るのか」などと罵声を浴びせた。

その後、警備員がやってきたが、警備員は「日本人と聞いたが。はっきり言えば(日本人を円明園に)入れることはない」と説明。通訳が「それは管理所としての意見ですか?それはちょっと違うでしょう」と反論すると、警備員は「去年も日本のツアー客は入れなかった」とした。

通訳が「チケットは購入しているし、管理所は(彼らを)中に入れた。あなたは管理所の意見を代表しているのですか?」と質問すると、警備員は「(管理所を)代表してはいないが、あなたはわれわれを尊重しなければならない!」と語気を強め、日本人の蔑称である「小鬼子」という単語を交えてまくし立て、男性インフルエンサーの言動に賛同する意思を示した。

あまりにも理不尽な言いがかりに中国のネットユーザーからは「このインフルエンサーが故意に難癖をつけているように感じる」「単なる言いがかり」「日本人観光客に何か落ち度があったようには思えない。もしわれわれが日本に旅行に行ってこのようなことをされたら?」「そもそも円明園が日本人と何の関係があるんだ」「円明園を焼き討ちし、略奪したのは英仏軍だろう」「そんなことなら、なぜ日本人を入国させたんだと中国の税関に文句を言えよ」といった声が上がり、「彼はどうすればトラフィックが稼げるか理解している」「今のインフルエンサーはみんな愛国を掲げて金を稼いでいるが、実際は国に泥を塗っているだけ」といった声も寄せられた。(後略)【9月9日 レコードチャイナ】
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このインフルエンサーは「亜人(アジアンマン)」の名で活動する中国のインフルエンサーで、中国政府は「いかなる特定の国に対しても、差別的な方法を取ることはない」としています。

****円明園で日本人観光客らに難癖、中国外交部「われわれは特定の国を差別しない」****
(中略)9日の外交部定例会見で騒動について聞かれた毛寧(マオ・ニン)報道官は「具体的な状況については把握していない。個人の言動については論評しない」としつつ、「中国はオープンで包容的な国。われわれはいかなる特定の国に対しても、差別的な方法を取ることはない」と強調した。

中国のネット上では「亜人」と見られる人物が2019年に米国で性的暴行や脅迫の容疑で逮捕されていたとの情報が流れており、靖国神社に落書きをして最近中国の警察当局に別件で拘束されたインフルエンサーのアイアンヘッド(鉄頭)こと董光明(ドン・グアンミン)容疑者と同類だとの批判が寄せられている。【9月10日 レコードチャイナ】
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【中国世論の多くは事件を批判 特に子供を狙った犯行には反発】
日本人としては、この種の反日に凝り固まった言動に接すると気分も悪くなりますが、一方で多くの中国人はそうした「反日」的なものとは一線を画しています。

特に、子供を対象とした犯行には批判の声が多いようです。

****中国SNSに書き込まれた“異例の反応”とは? 「日本人学校10歳男児刺殺事件」に猛反発の声****
(中略)
「この種の『愛国心』は国に混乱をもたらす」
 6月に蘇州で日本人学校バス襲撃事件が発生した際、「デイリー新潮」は中国SNSにあふれる「日本人学校に物申す」系動画の存在を報じた。旧知の通り、中国SNSでの「反日」は再生数稼ぎに最適のテーマであり、日本人学校も数年前からその1つとなった。

ただし、靖国神社動画のような破壊行為でなく、「学校の数が多すぎる」「中国人が入学できないのはおかしい」「なぜ警備が厳重なのか」といった“疑問”を提起するスタイルが大半だ。

配信者が校門前でお決まりの“疑問”を繰り返し、時には守衛と言い争うが、そもそもその“疑問”は中国国内でもネット検索で答えが得られる内容ばかりだ。

そうしたお手軽な「愛国」動画が登録なしで確認できる中国SNSとして、TikTokの中国版・ドウインがある。今回の事件についてもいち早く動画が公開され、様々なコメントが飛び交った。容疑者の動機に対する関心が深いのは日本と同様だが、これまで公開された「反日」動画の影響からか、多くのユーザーは「愛国」が動機だと考えているようだ。

「彼らが宣伝した悪がついに花開いた」 「我々の同胞の多くが日本にもいるという事実を考えてほしい」 「少しの前の亜人事件も然り、この種の『愛国心』は国に混乱をもたらす」 「法に基づいて厳罰に処すべきであり、この風潮が傲慢になりすぎてはならない」

「亜人事件」とは今月7日、北京の名所・円明園でインフルエンサー「亜人」が日本人観光客2人とガイドに執拗に絡み、暴言を吐いた事件を指す。この件も議論を呼び、「良い愛国」と「悪い愛国」の線引きを進めたようだ。香港メディアのオピニオン記事によれば、亜人を支持したのは一部の「脳なしの愛国主義者」だけだったという。

「このままでは中国が孤立する」
深圳の事件に戻ると、SNSコメントからはもう1つ猛烈な反発を招いている要素が浮かび上がる。「子供を狙った」という点だ。

「容赦のない厳罰を」 「子供は無実。暴力反対」 「何があっても子供を攻撃してはならない」 「とても理不尽。子供たちと何の関係がある?」

「事件の全体像がわからないと何とも判断できない」という声には「10歳の子供のどこに非があるのか?」というレスがついている。近年は薄れてきているとはいえ、家族や一族の絆を重要視する中国の一般家庭では「子供と老人」に配慮する傾向がある。

もちろん、事件を非難する声ばかりではない。中国ポータルサイト大手・捜狐(ソウコ)のアカウントが日本のニュースを引用し、「憎しみから弱者を攻撃するのは愛国心ではない。行き過ぎた感情は中国に孤立をもたらすだけだ」と訴えた動画には、「捜狐はどこの会社ですか?」というレスがついた。

だが、「このままでは中国が孤立する」という声は他ユーザーからもこのように寄せられている。
「歴史を念頭に置くと、より重要なのは自らを強くして、国家の自信を高めること。肉切り包丁を手に取って同じことをすれば、世界はあなたから離れていく」【9月20日 デイリー新潮】
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****日本人学校に千束超える献花 中国人ら男子児童に哀悼の意****
中国広東省深センで日本人の男子児童が刺殺された事件で、男児が通っていた日本人学校に20日までに計千以上の花束が贈られたと学校側が明らかにした。ほとんどは現地の中国人が贈ったもので、哀悼の意を示す人が後を絶たない。

「天国で安らかに」などとメッセージが添えられたものもある。インターネット上では事件を巡り反日的な書き込みも少なくないが、市民は子どもが犠牲となった事件に衝撃を受けている。(後略)【9月20日 共同】
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【「偏狭で過激なポピュリズムやナショナリズムの高まりは、社会の正常な発展や交流・協力、国民の幸福にとって有害だ」】
今回のような日中関係に影響する事件で、国内にある反日的な意向を意識する中国政府が表だって「偶発的事件」云々以上に踏み込むことは困難に思えますが、そうした表の話とは別に、現在ネット上で垂れ流されている虚偽も多く含んだ反日的な情報に対し、これまで以上に厳しい対応をとるように働きかけることが今後の日中関係を改善していく上で重要だと考えます。

****3カ月で2度の日本人襲撃事件、「個別事案で国の発展を阻害してはならない」と香港メディア****
2024年9月19日、香港メディア・香港01は、中国で3カ月以内に2度発生した日本人襲撃事件について「極端な個別事案で国の健全な発展を阻害してはならない」とする記事を掲載した。

(中略)「国辱を忘れないことと、今回の日本人小学生に対する暴行事件は、まったく別問題であることをはっきりさせておかなければならない」と主張した。(中略)

3カ月前の6月24日に蘇州のバス停で起きた日本人親子襲撃事件にも言及しつつ「2つの事件はそれぞれ個別の事案であり、日本人を標的にした一連の事件であることを示す決定的な証拠はなく、事件の背景を民族憎悪のレベルにまで昇華させることはできない」と主張。

その一方で、ネット世論では近ごろ排外主義や外国人排斥を主張する書き込みが確かに多いと指摘し、「中国は国を発展する中で狂乱的なポピュリズム(大衆迎合主義)が入り込む余地を与えないよう警戒する必要がある」と指摘している。

そして、民族国家を競争単位とする国際秩序において、適度なナショナリズムは正常な現象であるものの、「他者を誹謗(ひぼう)中傷したり、悪意を持って攻撃するような行動に発展したり、アクセス数や利益を稼ぐために過激な言動をすることは国と国民を誤った方向に導く行為だ」とも指摘。「偏狭で過激なポピュリズムやナショナリズムの高まりは、社会の正常な発展や交流・協力、国民の幸福にとって有害だ」と断じた。

記事は、蘇州と深センで発生した事件について再三「個別事案」であることを強調した上で、「個別事案が中国のイメージと日中関係に悪影響を及ぼすのを防ぐために、中国社会は有力な措置を講じて悲劇の再現を防ぎ、狂乱的なポピュリズムとは一線を画すとともに、さらなる改革開放の中で世界に向けて『狂乱的なポピュリズムは中国社会を代表するものではない』ということを示すべきだ」と結んでいる。【9月20日 レコードチャイナ】
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こういう事件に対しては、日本国内でも「正論」を主張する強気の大きな声が表に出てきがちですが、日本政府も日本の声はしっかりと中国側に伝えつつも、中国政府の状況・立場も踏まえた賢明な対応をとってほしいと思います。いたずらに相手を硬化させるだけの対応は、自己満足にはなっても、事態を悪化させるだけかも。

****中国の危険情報「レベル0」維持 外務省「見直しは検討していない」子供連れには注意喚起****
中国・広東省深圳市の日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件を受け、外務省が出す渡航・滞在の「危険情報」が注目されている。

中国の危険度は、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き「レベルゼロ」。インドは全土がレベル1以上、ロシアはレベル2だ。外務省は「現段階では見直しの検討はしていないが、中長期的な観点から総合的に判断する」としている。

中国では6月にも江蘇省蘇州市でスクールバスを待っていた日本人母子が刃物で切りつけられる事件が発生。日本国内でも靖国神社での落書き事件など「反日」が理由とみられる事件が続いており、日本政府が具体的な行動を取らないかぎり邦人の安全は守れないとの指摘も出ている。

一方で、外務省は男児が死亡した19日、日本人の安全に関わる重要な事件が発生した際に速報する「スポット情報」で「凶悪犯罪に対する注意喚起」を出し、「特にお子さん連れの方は、十分注意して行動してください」などと呼びかけた。(後略)【9月20日 産経】
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【日本の水産物の輸入について段階的に再開することで合意】
なお、日中間では懸案事項であった日本の水産物の輸入について段階的に再開することで合意したことが明らかになっています。

****中国、日本の水産物輸入を段階的に再開へ=中国ネット民の反応は…****
中国が日本の水産物の輸入を段階的に再開することで合意したことが分かった。日中のメディアが20日に報じた。

報道によると、岸田文雄首相は同日、中国側が安全基準に合致した日本産水産物の輸入を再開することで、日中両国が合意したと明らかにした。国際原子力機関(IAEA)の枠組みの中で行われている処理水のモニタリングを拡充し、中国を含む各国の専門家による水のサンプリング採取や分析機関による比較などを追加で行い、その結果をもって輸入再開が決定されるという。

この情報は中国メディアも速報した。鳳凰網は「日本政府は福島原発の汚染水の海への排出を一方的に開始した。中国は利害関係国の一つとして、この無責任なやり方に断固反対している」と強調する一方、「同時に、われわれは日本側に国内外の懸念に真剣に応え、自らの責任を確実に履行し、効果的かつ長期的な国際モニタリングに全面的に協力するよう、また中国側の独立したモニタリングに同意するよう促してきた」と説明した上で、日本側と4点の共通認識に達したと報じた。(後略)
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“鳳凰網の投稿には多数のコメントが寄せられているが、反発の声が大きいためかコメント閲覧ができない状態になっている。”【同上】と、ネット世論では批判が多いようです。

中国外務省は記者会見で、「日本による一方的な海への放出には断固反対していて、この立場に変わりはない」「中国がただちに日本の水産物の輸入を全面的に再開するわけではない」とも。苦渋の決断のようです。
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